「守備をしていたときからユニフォームのズボンが大きくて腰パン気味だなと思っていたんですが、走り出した途端、ズボンは元気よく膝のあたりまでずり落ちました。

 塁には早く出たい、でもズボンをなんとかしないと走れない上にパンツは丸出しです。モタモタとズボンを押さえながら走る僕の姿に、聞こえてきたのは歓声でなく爆笑でした」

 そんな様子では当然出塁できず、アウトになってすごすごとベンチに戻ったそうですが、チームは順調に勝ち進み、なんと優勝。しかも気の毒なことに、Fくんの「試合中にパンツを丸出しにした罪」は重く、それ以降出場の機会はなかったとか。

◆そして恋の行方は?

 好きだった女の子とは、その後どうなったでしょう? いちおう聞いてみます。

「数日後に『応援ありがとう』とメールを送りましたが、『優勝おめでとう』も『かっこよかった』もなく『お疲れ様』のひと言だけでした。それ以来、彼女に連絡はしていません」

 彼女が「パンツはチェックだったね!」くらい言えたら、また展開は違ったのかもしれませんが……まあティーンエイジャーには難しいかな。

教訓:服は、大きすぎても、小さすぎてもダメだ、という話。

―あの夏の黒歴史

<イラスト・文/和久井香菜子>

【和久井香菜子】
ライター・編集、少女マンガ研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。英語テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。視覚障害者によるテープ起こし事業「合同会社ブラインドライターズ」代表