[となりのテレ金ちゃん−テレビ金沢]2020年8月3日放送の「なぞの細道」のコーナーでは、麺を食べるときに立てる音について調べていました。

暑い夏には、そうめん、冷やし中華、ざるそばなどがぴったり。ズルズルと音を立てて、麺をすすって食べる人が多いと思います。

ところで、こうした「麺をすする」食べ方って、海外ではよくマナー違反とされますよね。ちょっと前には、「ヌードルハラスメント」という言葉も話題になりました。

ではなぜ、麺をすする食べ方が日本人の間で定着しているのでしょうか。


なぜ日本人だけ...?(画像はイメージ)

音を立てるのが「粋」だった?

番組が、金沢市内でイタリア料理店を営むイタリア人男性に話を聞いていました。彼によれば、イタリアではパスタなどをすすって食べるのは、お行儀の悪い行為だそうです。この男性は小さい頃は母親に怒られていたと。

すする音はマナー違反で、日本に来て初めて見たとき、思わず母親を思い出したそうです。

また、中国や韓国でも麺類は受け皿を使って音を出さずに食べます。

なぜ日本だけすすって音を出すのを良しとしているのでしょうか?

番組が調べてみると、日本でも古い時代の本では音を出すことは無作法だと書いてあります。吸う音を出すのは子供と同じ、という記載まであります。

食べるときの道具は、平安時代までは「さじ」(=スプーン)があり、それを使っていたのですが、麺が日本に到来する前に「さじ」はなくなって箸の文化になります。

ですので、麺が広まったときに、箸で食べるにはすするのが効率的だったと考えられます。

そして江戸時代、東京は男性が8割を占める単身赴任の町でした。手軽な麺の屋台が大人気となります。ここで汁ごとすするようになったと思われます。

江戸での食べ方が広まると、それが粋、音を出して食べるのはかっこいいという風に全国に広まっていったのです。

また、音を立てることで耳からも料理を楽しむことができると考えられたのでしょうね。

(ライター:りえ160)