トイレを我慢できずにSA・PAの進入路を歩く行為は違反?

 2020年の夏休みシーズンやお盆休みは、新型コロナウイルス感染防止のため、旅行や帰省を控えるよう呼びかける声があります。
 
 感染防止策を徹底したうえで、高速道路を使ったマイカーでの長距離移動をする人もいると思います。そんななか高速道路利用時に、多くの人が直面するのがトイレ問題です。

 万が一、高速道路を走行中に我慢の限界がきてしまい、『緊急事態』に陥ってしまった場合は、どう対応すればよいのでしょうか。

高速道路のトイレ問題は多くの人にとって悩みの種(写真はイメージ)

【画像】アッ危ない!! 高速道路でここは歩いちゃダメ!(11枚)

 一般道であれば、所々に公衆トイレやコンビニなどのトイレを備えた施設があるので、トイレにいきたいときは近場で手頃な場所を見つけてすぐに対処することも出来ますが、高速道路ではトイレにいきたいと思っても、次のサービスエリアパーキングエリア(以下、SA・PA)にたどり着くまで我慢しなければいけません。

 とくに、お盆や正月など渋滞が起こりやすい時期は、渋滞にはまってしまうと、いつSA・PAに到着するのか分からない、なかなかたどり着けないといった状況にも陥ってしまい、我慢の限界がきてしまう可能性も秘めています。

 このようなトイレ問題にどう対処すればよいのでしょうか。

 SA・PAにたどり着くまで我慢できず、路肩にクルマを停めて用をたしたり、SA・PA付近の渋滞時に同乗者がクルマから降りて進入路を歩いてトイレへ向かうといった光景を目にすることがあります。

 高速自動車国道法の第17条によれば「何人もみだりに高速自動車国道に立ち入り、又は高速自動車国道を自動車による以外の方法により通行してはならない」と記されており、そういった行為はこの法令に抵触してしまいます。

 また、わき見運転や居眠り運転などで車両が突っ込んでくる危険性があり、一般道よりスピードを出して走行する高速道路はさらに危険です。自身の身を守るためにも、そういった行為は絶対にやめましょう。

 とはいえ、生理現象であるトイレ問題は、都合の良いようにはコントロールしきれないものです。

 万が一、我慢の限界が来てしまった最悪の状況を想定して、事前に携帯トイレを準備しておくことが大切です。

 携帯トイレは袋状や筒状の簡易的なものから、組み立て式の便器が付いているもの、使い捨てタイプや使いまわしができるタイプまで多様な商品が販売されています。

 価格はものによって変わりますが、例えば簡易的な使い捨てタイプの携帯トイレは100円ショップでも購入できます。

 また、最近では、ディーラーオプションの「エマージェンシーキット」のなかに携帯トイレが含まれていることもあるようです。

 携帯トイレは、普段はなかなか使用する機会もないので、いざというときにすぐに使用できるように、準備した携帯トイレの使い方を事前にしっかり確認しておきましょう。

トイレピンチを避ける為にやっておきたい事前対策は?

 携帯トイレを準備しておけば、最悪の場合も乗り切ることはできますが、臭いや衛生面も気になります。やはりできるだけ車内での携帯トイレを使うことは避けたいものです。

 だからといって、トイレ問題を気にして、水分の摂取を必要以上に控え過ぎると、熱中症や脱水症状に陥る可能性があるので、適切な水分補給はしっかりおこなうようにしましょう。

高速道路利用時に気をつけたいトイレ問題への対策とは

 そのうえで、トイレピンチを避けるために、事前にできる対策をしっかりしておくことが大切です。

 まず、最低限やっておきたいのは、利用する区間のSA・PAの場所をしっかり調べ、立ち寄る場所の目星をつけ大体の場所を把握しておくことです。

 SA・PAの設置の間隔は高速道路によって異なり、区間によってはかなり間隔が空いているところもあるので注意が必要です。間隔が長くなる場合には、その直前のSA・PAに必ず立ち寄るといった工夫もいいでしょう。

 誤って通り過ぎてしまわない為にも、事前にSA・PA名もチェックしておきましょう。

 次に、混雑予想情報や渋滞情報などをチェックし、事前に道路状況や渋滞の有無をある程度予測して対策プランを立てておくことです。

 立ち寄るSA・PAを増やしたり、混みやすい場所を避けたルートを考えてみるのも良いでしょう。もちろん、実際の道路状況は当日に走行してみなければ分かりません。事故渋滞といった想定外の渋滞や通行止めが発生している可能性も十分考えられます。

 なので、当日もSA・PAに立ち寄るごとに、インフォメーションでこまめにその先の最新の道路状況の確認をし、柔軟に対応することも大切です。

 そういった状況の変化にも対応できるように、当日は時間に余裕をもったスケジュールを組み、いくつか迂回経路を考えておくのもいいでしょう。

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 とはいえ、どんなに事前に対策していても、必ずしも大丈夫とはいい切れないのがトイレ問題です。

 急な体調の変化もあるかもしれませんし、とくに子どもやお年寄りが同乗者にいる場合には、トイレの我慢のコントロールが難しい場合もあるでしょう。

 そういったことも考慮して、最悪の事態まで想定した準備をしておけば、余裕をもった高速道路の利用ができるのではないでしょうか。