今夜、いよいよ再開するチャンピオンズリーグ(CL)。延期となっていたラウンド16セカンドレグでは、マンチェスター・Cがレアル・マドリードをホームに迎える。

 2月26日に行われたファーストレグは、シティが敵地で2−1の逆転勝利を収めた。約5カ月ぶりのリターンマッチとなる今回、シティが逃げ切りに成功するのか、あるいはレアルが逆転でベスト8に名乗りを上げるのか。欧州サッカー連盟(UEFA)の公式サイト『UEFA.com』やスペイン紙『マルカ』の情報をもとに、注目の大一番について知っておきたい8つのトピックを紹介する。

※断りのない限り、本稿ではPK戦による決着は引き分けとしてカウント

1. ファーストレグで対レアル戦初勝利

 ファーストレグの勝利は、シティにとって対レアル戦での初勝利だった。シティはそれまでレアルと4回対戦し、2分け2敗。2015−16シーズンにはCL準決勝で相まみえると、ホームでのファーストレグを0−0で折り返したが、敵地で0−1の敗戦を喫して、惜しくも敗退していた。一方、レアルにとっては、前身のヨーロピアン・カップ時代から数えてCL通算100敗目となる黒星だった。シティの連勝か、あるいはレアルのリベンジか。お互いの意地とプライドがぶつかり合う。

2. 名勝負は必至!?
 今季、リーグ戦は対照的な結末を迎えた両チーム。シティはプレミアリーグ3連覇を逃した一方、レアは3年ぶりにリーガ・エスパニョーラを制した。また6月の再開以降、シティは公式戦12試合を戦って9勝3敗。勝率(75%)は決して低くないが、プレミア第31節のチェルシー戦(1−2)、またFAカップ準決勝のアーセナル戦(0−2)と、力のある相手に対して勝利を挙げられていない。対するレアルは、リーグ再開後、10勝1分けと無敗をキープ。この間、相手に一度のリードも許さず、抜群の安定感を見せている。とはいえ、ジョゼップ・グアルディオラ監督はこの大一番に照準を合わせてきているはずで、チーム状態に大差はないだろう。名勝負が繰り広げられる可能性は十分にある。

3. CL決勝ラウンドのホーム戦を苦手とするシティ
 敵地で先勝したシティだが、CL決勝ラウンドのホームゲームはそれほど得意としていない。過去10試合の成績は4勝2分け4敗。ラウンド16に至っては、2勝1分け3敗と負け越しているのだ。ただし、公式戦におけるホームゲームは7連勝中。その間は26得点1失点と、申し分ない結果を残している。また欧州カップ戦で、敵地でのファーストレグを勝利で飾った場合、勝ち上がりに失敗したケースは一度もない。今回は無観客での開催になるとはいえ、レアルを過度に恐れる必要はないのかもしれない。

4. 50年ぶりの逆転劇を狙うレアル
 対するレアルは、アウェイでの戦いを苦にしていない。欧州カップ戦のアウェイゲームは最近25試合で16勝4分け5敗(勝率64%)。CLラウンド16のアウェイゲームは7連勝中で、その間の得点数は「19」と、平均3ゴール近くを奪っている。ただレアルの場合は、欧州カップ戦でホームでのファーストレグを落とした場合、逆転で勝ち抜けに成功したのは過去1度だけ。それも、1970年に行われたUEFAカップウィナーズカップでのヴァッカー・インスブルック戦と、今から50年も前の出来事になる。ちなみに2011年のCL準決勝では、グアルディオラ監督率いるバルセロナに対してホームで先勝を許した後、敵地でスコアをひっくり返せず、敗退が決まった。50年ぶりの逆転劇は実現するのか要注目だ。

5. キャプテン不在の影響は?

 逆転突破を狙うレアルにとって、最大の懸念材料はキャプテンがピッチに立てないことだろう。セルヒオ・ラモスはファーストレグの退場により、セカンドレグは出場停止となる。今季は公式戦13ゴールを記録するなど、カリム・ベンゼマ(26ゴール)に次ぐ得点源としても活躍。守備だけでなく、攻撃面でも絶大な存在感を発揮していたキャプテン不在の影響はやはり大きい。なおCLで、S・ラモスが出場しなかったここ6試合の成績は1勝5敗。唯一の勝利は、今季のグループステージ最終節・クラブ・ブルージュ戦(3−1)で挙げたもの。決勝トーナメント進出を決めた後の消化試合だった。一方、今回と同じく出場停止だったパリ・サンジェルマンとの開幕戦は0−3で敗戦。レアルは、絶対的リーダーの不在を乗り越えられるだろうか。

6. 注目選手は?
 シティでカギを握るのは守護神のエデルソンだろう。今季はプレミア最多となる16回のクリーンシートを記録。自身初のゴールデングローブ賞を受賞した。シティは今回の一戦で引き分け、もしくは0−1の敗戦でも勝ち抜けが決まるため、失点、特に先制点を献上することだけは避けたい。また前線からのプレスを無効にする正確なキックも、エデルソンの特長のひとつ。「11人目のフィールドプレーヤー」としての活躍にも期待がかかる。一方、最低でも複数得点が求められるレアルは、ベンゼマの奮闘が欠かせない。今季、リーガでは最多となる8つの決勝点をマーク。ここぞという場面で結果を残してきた。またゴール以外にも、ポストプレーや中盤でのパス交換など攻撃面におけるほとんどのタスクをこなしている。彼なしではレアルの攻撃は成り立たないと言っても過言ではなく、S・ラモス不在の今回はリーダーとしての役割も求められる。

7. PK戦の成績は?
 実力的には甲乙つけがたいだけに、PK戦で決着がつく可能性も十分にある。過去のデータをひも解くと、シティが欧州カップ戦でPK戦を経験したのは2回だけ。いずれの試合も勝ってはいるが、UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)が舞台だった。CLでのPK戦は未経験である。対するレアルは、欧州カップ戦で過去4回PK戦に臨み、2勝2敗。前身のヨーロピアン・カップ時代を含めて、CLでは2勝1敗と勝ち越している。2015−16シーズンには、アトレティコ・マドリードとの決勝でPK戦を制して欧州制覇を達成。ルカ・モドリッチやトニ・クロースら、その当時を知るメンバーも少なくない。

8. 予想オッズは?
 日本時間8月7日午後3時現在、英国大手ブックメーカーの『ウィリアム・ヒル』はこの試合について、シティの勝利に「1.70倍」、レアルの勝利に「4.60倍」、ドローに「4.20倍」というオッズを付けている。またベスト8への勝ち抜けオッズは、シティが「1.12倍」、レアルが「5.5倍」となっており、敵地で先勝した前者の圧倒的優位を予想している。ただジダン監督が率いるレアルは、これまでのCLで“敗退”を味わったことがなく、必ずビッグイヤーを手にしている。この驚異的な勝負強さを今回も発揮するのか。あるいは、シティが“ストップ・ザ・ジダン(レアル)”を成し遂げるのか。いずれにしても、再開にふさわしい熱戦が繰り広げられることは間違いない。(記事/Footmedia)