スポーツドリンクの飲みすぎに要注意!

夏は熱中症を防止するため、日常生活においてもスポーツドリンクを水がわりに飲んだほうがいいと思っている人が多いようですが、これには少々問題があります。その理由は、スポーツドリンクに含まれる糖質と、ナトリウム(塩分)にあります。運動量が少なく、発汗量が少ないときにスポーツドリンクを大量に摂取すると、糖質やナトリウム過多に陥るおそれがあります。運動をせずに糖質をとりすぎると、消費されなかった糖が血中に残ってしまいます。この状態が高血糖と呼ばれる状態です。高血糖が続くと、体脂肪がたまりやすくなり、さらに、糖尿病などのリスクも高まります。

いっぽうのナトリウムは汗とともに排出されますが、汗をあまりかかないときにはナトリウムは体内に蓄積されてしまいます。そのため、トレーニングをしない日、終日エアコンのきいた部屋にいて汗をかかなかった日にスポーツドリンクを飲みすぎると、塩分過多の状態に陥ることになります。

とってもいい塩分量は、驚くほど少ない!!

厚生労働省は日本人の1日のナトリウム(食塩相当量)の目標量を男性8.0g未満、女性7.0g未満です。この量は非常に少なく、外食を1回食べただけでも目標量を超えてしまう場合もあるくらい少ない量です。そのため、発汗量が少ない日にスポーツドリンクからプラスの塩分を摂取することは、塩分過多になる危険が大きいといえます。

ただし、日常的にトレーニングを行い、発汗量も多いという人なら、目標量を超えることはほぼないはずなので、それほどスポーツドリンクから摂取する塩分量に対して神経質になる必要はないでしょう。ただし、ジャンクフードのような塩分の多い食品を日常的に食べているという人は注意が必要です。

 

ライター:楠田圭子(RUNNING style)
出典元:RUNNING style.78「夏ランの新常識」
監修:牧野 仁(Japanマラソンクラブ代表)