オフシーズンに“日本のエース”が滑って転んで大減点である。フィギュアスケートの全日本チャンピオン・紀平梨花(18)。所属先を変更した、その裏では……。

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〈紀平、所属先「N高東京」に〉

 そんな見出しが新聞各紙に躍ったのは、6月24日のことだった。

「N高東京」。耳慣れないが、これは、現在、紀平が通っている通信制高校の名である。フィギュア選手の場合、所属先はメインスポンサーか、練習拠点のクラブとするのが通常。フィギュアに縁もゆかりもない高校になるのは異例である。

「この春以来、紀平は所属先で迷走しています」

 とは、スポーツ紙デスク。

「結局、行き先がなくなってしまい、暫定的に『N高』にしている。先が思いやられますね……」

紀平梨花

 紀平といえば、あの織田信成と裁判沙汰になった濱田美栄コーチとの関係が知られている。紀平が小5の時に出会った二人は以来二人三脚で練習を重ね、2年前にシニアに転向するや否や、GPファイナル優勝など、世界のトップ選手の仲間入りを果たした。今年4月までの所属先も濱田コーチのいる「関大KFSC」だったはずだが……。

寝耳に水

「実は、濱田コーチと紀平のお母さんとの間に距離が生まれているんです」

 とは、内情を知るスケート連盟の関係者である。

「紀平はまだ高校生ですから、当然、お母さんの意向が第一。濱田コーチは紀平をジュニアでじっくり育てたい方針でしたが、お母さんは早くシニアに転向させたかった。結局、お母さんの判断が優先され、結果、彼女は世界トップの一人になったわけですが、その辺りから隙間風が吹きだしてしまったようなのです」

 そして、先のシーズンが終わった今春、紀平サイドは水面下で新たな所属先を探し始めたのだという。

「ANAやトヨタの感触を内々に探ってみたそうですが、コロナでそれどころではなく、良い反応を得られなかった。JALも候補でしたが、同世代の本田真凛が所属しているためにNG。結局、元サヤに戻って、濱田コーチがGMを務める、木下グループ運営の新クラブに行くことでまとまりかけていましたが……」(同)

〈紀平梨花がオーサー氏にも師事〉

 更なる波紋を呼んだのは6月13日に共同通信が配信した「スクープ」。オーサー氏は、羽生結弦を五輪2連覇に導いたことで知られるカナダの名コーチである。

「これ、紀平サイドが、訪れた沖縄にまで記者を呼んで抜かせた記事ですが、木下にとっては寝耳に水。メインコーチは濱田さんのままで、加えてオーサーの指導も受ける、ということですが、面白くないのは当たり前です。で、木下は臍(へそ)を曲げ、所属の話も流れてしまったんです」(同)

 突然の“発表”に羽生サイドだってさぞ当惑したことだろう。しかも、

「コロナの影響でオーサーのいるカナダへの渡航もままならず、未だ師事の目途は付いていません」(同)

 と、八方塞がりなのが現状。

 現在の紀平との関係について、濱田コーチに聞くと、

「いやいや全然、大丈夫です。ご心配なく」

 と平静を装うが、

「お母さんは、紀平のために家を売り、練習場の近くに引っ越したほど娘に懸けている。今後も漂流は続くでしょうね」(連盟関係者)

 折しも、この7月21日、18歳の誕生日を迎えた紀平。北京五輪も2年後に迫る。転倒はリンクの外だけ……にしてほしいものだが。

「週刊新潮」2020年8月6日号 掲載