最近人気が出ているネオクラッシックカーと呼ばれるジャンルは、1980年代から1990年代に登場したクルマたちだ。この年代のクルマは、日本がバブル景気に沸く時期に登場し、どのメーカーも惜しみなく技術を投入していることから、クルマの完成度が高いことで人気がある。しかし、すでに古い車種では40年近く前のクルマであり、所有するには多くの面で覚悟が必要なのも事実だ。

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 バブル景気に沸いた1980年代から1990年代に、日本の自動車メーカーは湯水のようにコストをかけて、ハイパフォーマンスのクルマを次々と誕生させた。高級車では日産セドリック/グロリアシーマ、トヨタからはセルシオ、スポーツカーでは、日産スカイラインGTRの復活、トヨタスープラ、ホンダNSXなど、今でもその存在が色褪せることがないクルマたちだ。

 これらのクルマたちが今注目を集める理由は、旧車であっても1970年代以前のクラッシックカーと呼ばれるクルマと違い、信頼性が高く壊れにくいことが挙げられる。しかもメンテナンス性も良いうえ、パーツもまだ購入できる。

 特に人気があるのが、当時自主規制であった280馬力のクルマたちだ。そのほとんどはターボで武装しており、今のダウンサイジングターボとは味付けが異なるパワー至上主義のターボは、過給が始まってからの加速に病みつきになる人が後を絶たなかった。特にシーマでは、高級車とは思えないダッシュで当時の人々を驚かせたものだ。

 これらのネオクラッシックカーは、現在でも十分通用する走りを提供してくれる。しかし、それはメンテナンスが行き届いたクルマの話だ。ネオクラッシックカーも数十年の年月を経ており、クルマのボディ、エンジン、足回りといった全てにヤレが出ている。これらのヤレを元に戻すことで、当時の走りを堪能できるわけだが、車種によってはすでに部品が廃盤となっていることも珍しくない。

 廃盤となった部品を専門に制作している業者もあるが、ワンオフ製作となるため、その価格は純正価格に対して数十倍になることも珍しくない。

 ネオクラッシックカーは、今の50代から60代の人たちが若いころ憧れたクルマだが、なんの知識もなく憧れだけで購入すると、その後のメンテナンスでかなり痛い目に合う可能性がある。

 当時の素晴らしい走りや装備に憧れてネオクラッシックカーの購入を考えるなら、購入後の主治医を最初に見つけて、主治医経由で購入するのがベストだろう。