東京都の小池百合子知事は2020年8月6日に記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため「この夏は『特別な夏』として、旅行、帰省を控えていただきたい」と都民に呼びかけた。

新たに誕生した「特別な夏」というキャッチフレーズ。だが、ツイッター上ではその「爽やか」なイメージが、旅行や帰省の自粛を呼びかけるには「逆効果」なのではないかと懸念する声も聞かれた。

「すぐ忘れられない冬が来そう」

都の6日の感染者数は360人で、10日連続で1日の感染者数は200人超えとなった。小池知事は6日夕方の会見で、お盆や夏休みなどの帰省シーズンの行動について、都民への呼びかけを行った。

コロナ禍での帰省の是非をめぐっては、菅義偉官房長官が4日の記者会見で全国一律の「帰省自粛」を求める考えではないとしていた。一方で、小池知事は都民に「この夏は都外への旅行、帰省についてはお控えいただきたい」と語り、離れて暮らす家族や親族とは電話やオンラインで通話をしてほしいとした。

小池知事は、一日でも早く安心・安全の生活を取り戻し、大切な人・大切な家族、医療現場を守るためだとし、

「この夏は『特別な夏』として、旅行、帰省を控えていただきたい。また夜間の会食を控えましょう。遠くへの外出もお控えいただきたい」

と都民に呼びかけた。

「STAY HOME週間」「東京アラート」など、コロナ禍ではお馴染みとなっている東京都のキャッチフレーズ。新たなフレーズ「特別な夏」の登場を受け、ツイッターでは「TUBEっぽいタイトル」「ポカリスエットのCMみたい」など、文字だけを見れば爽やかな「夏」や「青春」を想起するといったような声が聞かれた。

一方で「逆にわくわくしてしまうんだが」「どこかへ行きたくなる」と、爽やかなフレーズが外出や旅行を促進してしまうのではないかという懸念も。中には「すぐ忘れられない冬が来そう」と、早くも年末年始の帰省シーズンにつけられそうな「新フレーズ」を予想するユーザーもいた。