女性の社会進出とともに「細ければ細いほど美しい」という時代は終わりを告げた。今や女性も体を鍛えるのが当たり前。そんな流行の最先端にいる「マッチョ美女」たちのパーフェクトボディとは?

◆美ボディブームで多様な筋肉女子がその美を競い合う!

 インスタグラムを眺めていると、突如として目に飛び込んでくる割れた腹筋や鍛え上げたヒップ。セクシーな美ボディを露わにする“筋トレ女子”の流行とともに、彼女たちに熱視線を注ぐ男たちが急増中だ。15年近く筋肉女子を追いかけているブロガー・新宿の筋肉氏は、こう分析する。

「新型コロナウイルスによる自粛期間中、美人パーソナルトレーナーたちがこぞって自宅でトレーニングできるエクササイズ動画をSNS上にアップしたんです。すると、体のラインを強調したトレーニングウエアやスクワットで突き出される美尻、ストレッチ時の胸の谷間など、彼女たちの健康的な肉体から醸し出される色気に魅了される男性が続出しました」

 7月上旬にはTwitter上で“#脱いだ時のギャップ選手権”のタグが流行し、「キレイなのにマッチョ」「かわいいのにムキムキ」といった“ギャップ萌え”でさらなるファンを獲得。こうした流れに「価値観の多様化で新たな女性の美に男が気づき始めた」と語るのは女体研究家の山田ゴメス氏。

「かつては巨乳だったり、逆に細すぎるモデル体形が持てはやされていましたが、女性も鍛えるのが当たり前になると、やっぱり肉体としてのトータルバランスが一番いいのは筋肉だと気がついたんです。がっしりとした上半身だからこそくびれが目立ち、割れた腹筋などのメリハリが鮮やかな陰影を形づくる。しかも、姿勢がよいので洋服も映え、立ち姿や歩く姿がしなやかな獣のように美しいんです」

 ひと口に筋肉女子と言っても大きく4つに分類することができると新宿の筋肉氏。

「体格や筋肉量によって『とにかく大きな筋肉が存在感のあるムキカワ系』『力強さとセクシーさを兼ね備えたゴリマッチョ系』『健康美と曲線美で魅了する細マッチョ系』『体格の良さとナチュラルな筋肉のアスリート系』と、それぞれに異なった魅力があります」

 さらに山田氏は、「筋肉女子はコンプレックスを乗り越えようと鍛えている側面もあるので、見た目とは裏腹なけなげで女性らしい内面を感じる」と、奥深さをしみじみと語る。

◆なぜマッチョ女子が増えているのか?

 ひと昔前は、女性がジムに通う理由といえばダイエット。しかし、一歩踏み込み“鍛える女”たちが急増した理由は何なのか? 甲南女子大学の米澤泉教授は、「ライフスタイルへの意識の変化が大きい」と語る。

「ダイエット自体、昔は食事制限が主流でしたが、今はライフスタイル全体を変化させることが重要。そんななか、筋肉で引き締まった体が、まずは女性側から支持されるようになりました。今まで『158僂らいの小柄で華奢なコがかわいい』とされてきたステレオタイプな男性目線の女性観から解放され、『なりたい自分になる』という強さに目覚めたんです」

 海外でも「痩せすぎのモデルは禁止」と、健康美へとシフト。

「最近、女性から圧倒的支持を得る美容家の神崎恵さんが鍛え始めました。これはすなわち、美容の中で筋肉がひとつのジャンルとして確立したことを意味しています」

 鍛える女は美しい。これがもはやニューノーマルなのだ。

【新宿の筋肉氏】
ブログ「耳よりキン肉情報」の管理人で、筋肉女子のホットな情報を15年近く発信し続けている。女性の力こぶとふくらはぎの筋肉に目がない

【山田ゴメス氏】
女体研究家。「永遠の思春期」をキャッチコピーに文筆業、イラストなど多方面で活躍。近著に『モテと非モテの脳科学』(菅原道仁氏と共著)

【米澤 泉氏】
甲南女子大学教授。専門はファッション文化論、化粧文化論、女子文化論など女子学に精通。著書に『「くらし」の時代』(勁草書房)など多数<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!8月4日発売号の特集「[マッチョ美女]限界セクシー撮」より