一般人にもかかわらず“物議”を醸してしまった新型コロナ感染者といえば、都内在住の20代女性Aさんだろう。

 4月29日、実家のある山梨県鳴沢村に帰省したAさんは、都内職場の同僚が新型コロナに感染したことを受け、2日後の5月1日に山梨県内の病院でPCR検査を受診。結果が出るまで実家待機を求められていたが、検査当日に整骨院とゴルフ場を利用し、翌2日朝に陽性判定が伝えられたが、高速バスで帰京した。

「一連の行動を県が発表すると、『コロナ女』とネット上で中傷され、Aさん本人とみられるSNSアカウントのほか、卒業アルバムなど真偽不明の物が次々とネット上に流出。実家には嫌がらせの電話が相次いだ」(地方紙記者)

 陽性と知りながら帰京したAさんの行動が批判されたのは仕方ないところかもしれないが、行きすぎたバッシングには県も「配慮してほしい」と呼びかける事態になった。

 あれから3か月、鳴沢村の実家を訪ねると、Aさんの父親が対応した。

「あの時は本当に大変で、警察にも相談したくらいでね。娘が感染したことで村の人から何かされることはなかったけど、取材がたくさん来て、自分たちだけではどうにもできない状況でした。最近になって、やっと少し落ち着いてきたところです。ただ、思い出すといまでも苦しい」

 Aさんの近況について聞くと、こう話した。

「娘は誹謗中傷で辛い思いをしましたし、もう勘弁してやってください。メディアに詳しく話さないよう警察からも言われてますので……。いまは娘も健康にやっています」

 そう言って深々と頭を下げた。

※週刊ポスト2020年8月14・21日号