中国のポータルサイト・百度に3日、日本で非常に空間が狭いカプセルホテルが人気を集める理由について紹介する記事が掲載された。

 記事は、カプセルホテルの発祥は日本であり、細長い箱のような狭い個室が並ぶ様子から「スペースシャトルホテル」、「棺桶旅館」など様々な呼ばれ方をしていると紹介。日本人の資源と空間を節約するアイデアが具現化された、日本ならではの宿泊施設なのだと伝えた。

 そして、寝返りを打つ程度の広さしかないながらも、カプセルホテルの利用率は非常に高く、若者からサラリーマン層にまで広く利用されていると説明。「狭いのに多くの人が愛用しているというのは理解に苦しむが、いったいどうしてなのか」と疑問を提起した。

 記事はその答えについて、日本の「恐るべき残業文化」と「価格の安さ」という2つの点から解説している。まず、残業文化については、これまで日本社会では夜遅い時間まで残業し、「今から電車で自宅に帰っても短い睡眠時間でまた出勤しなければならない」というケースが非常に多く見られたことに言及。自宅に帰ることを諦め、会社の近くで一泊してそのまま出勤するという会社員のニーズが、日本のカプセルホテル文化を支えているのだとしている。

 また、オフィスが建ち並ぶ都市部のホテルは価格が高く、自腹で気軽に何度も利用することができないのに対し、カプセルホテルは空間の狭さと引き換えに価格が安く抑えられており、なおかつ共用のシャワーやサウナなどが併設していて疲労を十分に回復することもできるため、多くの人が愛用しているのだと伝えた。

 記事は最後に、カプセルホテルについて「言ってしまえば、日本の独特な社会環境下で誕生した、奇特な産物なのだ」と評している。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)