2020年の学校の夏休みは、自治体により異なるが新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて短くなるところが多いようだ。それでも、日本の子どもたちは中国と比べると自由で幸せだという。中国メディアの騰訊はこのほど、「北京と東京の教育の違い」を紹介する記事を掲載した。東京在住の中国人の母親が日中の違いを考察している。

 記事は、日本と中国の教育の違いについて3つの点を紹介している。その1つが「夏休み」だ。日本では楽しい思い出を作る時間なのに対し、中国では「宿題漬けの毎日だ」と紹介。世界中の夏休みと冬休みの宿題のうちの大半を中国人の子どもが行っているとのデータもあると記事は伝えた。人口の多さを考慮に入れてもやはり宿題の量が圧倒的に多いことを示していると言えるだろう。しかし、記事の中国人筆者の子どもが通う日本の小学校では、夏休みに地元の工場や建築現場を見学することができ、将来自分がなりたい姿を思い描けるようにしていると称賛した。「将来やりたい職業が中国の子どもと違うのは当然だ」と感心している。

 2つ目は「自分で通学すること」。日本の親は子どもの自立を重視していると記事は紹介。もちろん安全対策はきちんと取っており、保護者による送迎のために学校の前が渋滞する中国とは全く違うと比較した。子どもの自立は、災害に備えた訓練や教育、生活力を付けるための家庭科の授業もあると感心している。

 3つ目には、「体育の授業を大切にしていること」だ。中国でも体育の時間はあるものの、自習あるいは他の教科に振り替えられることが多すぎ、あまり体育の授業を受けることはないという。その点、日本では体育を通してルールを守ることや協調性を学べると称賛した。冬にはマラソン大会、夏は水泳の授業もあり、水難事故から身を守るための「着衣泳」の授業もあると高く評価している。

 日本の教育は、中国と比べて多岐にわたり、中国の子どもはうらやましく感じるに違いない。中国では教育というと学力ばかりがクローズアップされるものだが、子どもに必要な教育とはもっと幅広いものではないだろうか。日本の教育も問題点が指摘されることがあるとはいえ、中国人からは高く評価されているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)