終盤の1イニングで驚異的な7得点を奪ったKBC学園未来沖縄!8回、三塁打を放ちガッツポーズのKBC学園未来沖縄・東

 7回に1点を返したものの、その裏奪い返されるほど、美里工のペースだった試合。しかし8回、誰もが予想だにしなかった「7」得点がKBC学園未来沖縄のボードを輝かせる。「僕らは引き出しを多く用意。その場面場面で選手たちに的確な指示、アドバイスを送りつづけた結果」と、試合後に語った神山剛史新監督。父である神山昂(現総監督)から譲り受けたバトンを、初采配となる大会で決勝進出という偉業を成し遂げた。

美里工のペースで進んだ序盤

 美里工は2回、二者連続四球から7番岡本恭輔のタイムリーで先制。犠打で進塁後、高良真心がスクイズを試みるも、KBC学園未来沖縄のバッテリー配球の前にファールにするのが精一杯。しかし5球目。軽くバットを出してのエンドランの形が功を制し2点目を奪いとった。

 美里工は4回にも四球からワイルドピッチと犠打で三塁へ進めると岡本恭輔がスクイズを決めて3点目をボードに刻む。投げては今大会絶好調の背番号10上間玲於が被安打1、7奪三振の快投でKBC学園未来沖縄打線に手も足も出させなかった。

1イニング2安打のKBC学園未来沖縄・東の活躍で大量7点!

 追うKBC学園未来沖縄は7回、美里工二番手の與古田美月を攻める。四球と連打で満塁とし、押し出しで1点。さらに1番慶田城匠麻のスクイズで2点差に詰め寄る。しかし美里工もその裏、相手のボークで1点を奪い返し、流れを相手に渡さない。しかし8回、思いがけないことが待っていた。

 KBC学園未来沖縄は4番喜多慧人のタイムリー、8番島袋桜のスクイズで2点を返す。二死とした上間玲於だったが、この試合三度目の登板はさすがに難しかった。三者連続四球で押し出し点を与え、3番東大夢にとどめのライト越えタイムリー三塁打を浴びてしまう。東大夢はこのイニング2打席2安打4塁打1得点3打点の大暴れ。大量「7」点をボードに輝かせたKBC学園未来沖縄。9回にも3連続長短打で追加点を奪い試合を決めると、最終回裏は三者凡退。

 野球部創部6年目で、夏の大会初となる決勝進出を果たしたのだった。

(文=當山 雅通)