個性的なカラーがモデルの魅力を最大限に引き出すことも

 かつて、ボクが初めての愛車を選んだきっかけが、ボディカラーだった。夜の都会の交差点を、颯爽と駆け抜ける深い紺のボディカラーをまとったクーペにぞっこん。そのクルマの名前を探し出し、候補車に決めたのだ。クルマはいすゞ117クーペ。ボディカラーは今でも覚えている「アドリアブルー」だ。が、残念ながら、それからしばらくして117クーペの購入にたどり着いた頃には、アドリアブルーはカタログから消え、結果、泣く泣く、パルティノンアイボリーというベージュ系のボディカラーを選んだのだった。

 今では、クルマのボディカラーと言えば、シルバーメタリック、パールホワイト、ブラックパールが人気だ。以前、乗っていた2代目オデッセイ・アブソルートの購入時にも、パールホワイトだと売却する際、ほかのボディカラーより高く売却できる可能性がありますよ……と担当セールスに言われ、生まれて初めての白いクルマを購入した経験がある(実際、高値で売却できた)。

 さて、街にはモノトーンのシルバー、ホワイト、ブラックのクルマがあふれているが、たしかにシルバーは手入れが楽。実際、現愛車もリフレックスシルバーと呼ばれる淡いシルバーメタリックで、ホコリや小傷が目立たず、助かっているが、魅力的な、個性的なボディカラーとは対極にある。言い換えれば、つまらない。

 そこで、ボディカラーを見ただけでもそのクルマが欲しくなるほどの、魅力的かつ新鮮なボディカラーを持つクルマを探してみた。その多くは2トーンカラーであり、モノトーンに比べ、クルマの存在感、価値を大きく高めてくれる効果さえあるように思う。

1)トヨタRAV4

 まずは、トヨタRAV4。ガソリン車かつもっともオフロード向きのアドベンチャーグレードのみに用意されるアッシュグレーメタリック×シアンメタリック、およびアッシュグレー×アーバンカーキの2トーンである。モノトーンだと意外なほど地味に見えてしまう(失礼)RAV4を、ひときわ輝かせてくれる、アウトドアや海、山に素晴らしく似合う2トーンである。RAV4の魅力を大きく引き出してくれると思っているから、開発陣にほかのグレードにも2トーンを設定してほしいと、会うたびに進言しているところだ。

2)スズキ・ハスラー

 今日は何色のハスラーを見ましたか? というキャッチフレーズ(先代)でおなじみのスズキ・ハスラーの新型も、わくわくするようなボディカラーがそろっている。とくにアクティブイエロー×ホワイト2トーン、チアフルピンク×ホワイト2トーン、ブリスクブルーメタリック×ホワイト2トーンの3色は、ハスラーのコンセプトや楽しさを最大限に引き出すボディカラーと言える。このサイズ、軽自動車、ワゴン×SUVのコンセプトだから成立するカラフルさが楽しすぎるではないか。毎日の生活を鮮やかに彩ってくれること間違いなしである。

3)ダイハツ・タフト

 最新のクロスオーバー軽のタフトも、ワイルドなバックパッカーというコンセプトを見事に色で表現したボディカラーが用意されている。それはフォレストカーキメタリック、レイクブルーメタリック、サンドベージュメタリックの3色。ピックアップトラックをイメージした角ばったライバルなきエクステリアデザインの個性、魅力を引き出す渋くもあるカラーである。しかも、あえて別料金になる2トーンカラー(ルーフ)を採用せず、Gグレードには黒く見えるスカイルーフトップより前をブラックアウトすることで、2トーンに見える工夫がなされている点にも注目である。タフトのタフトらしさをもっとも表現している3色だと思う。

クルマを数十万円高く見せるカラーも!

4)スバルXV

 モノトーンの多い街並みを、リゾート地を、鮮やかに彩ってくれるオールラウンダーの1台が、ラグーンブルー・パールに塗られたスバルXVだろう。SUVテイストを強調する黒のホイールアーチとの相性も抜群で、青空の下をどこまでも走って行きたくなるXVのキャラクターを見事に表わしているカラーである。自身、XVを買うなら、迷わずこの色にする。

5)日産デイズ

 軽自動車のほうが、ボディカラーを冒険しやすい傾向があるのは確か。それを象徴するのが、オートカラーアワード2019を受賞した日産デイズ。魅力的なボディカラー揃いだが、なかでも、ここだけの話、開発陣の1人が愛車として選んだホワイトパール/プレミアムサンシャインオレンジ2トーン、そして個人的にベストと思えるアッシュブラウン/フローズンバニラパールが文句なしにベストカラーだろう。アッシュブラウン/フローズンバニラパールは大人にも似合うし、クルマの価値を一段と高め、ウン十万円高く見えたりするカラーだ。やはり、2トーンが今っぽく、魅力を増幅する。

6)ホンダN-BOX

 同じように、街にあふれているホンダN-BOXを選ぶ際も、プレミアムアイボリー・パールII&ブラウンを選ぶと上品で個性的に見え、車格がグーンと高くなったようにも見えたりする。N-BOXの場合、リモコンキーが同色になるのもうれしすぎる。

7)ホンダ・フィット

 ホンダは最近になって、ボディカラーにこだわりを見せている。新型フィットはカラーによってかなり地味に見えてしまったりするのだが(失礼)、新グレードのCROSSTARのサーフブルー&ブラックの2トーンカラーは特別だ。アウトドア感、リゾート感が一気に高まり、ドライブが楽しくなること必至。家の駐車場に止めておくだけでも、生活を鮮やかに彩ってくれること間違いなしである。実際、サーフブルー&ブラックの2トーンカラーのCROSSTARで初夏のビーチリゾートに出掛けたが(撮影ですが)、海にこれほどまで似合うコンパクトカー、ボディカラーはないと強く実感。浜辺の駐車場にいたサーファーたちにも大好評だったのである。

 というように、クルマを選ぶ際、ボディカラー選びは性能や快適性、燃費性能、安全性能と同じぐらい重要だ。無難な色、地味な色を選ぶほうが安心だが、新しい生活様式を強要させられるこの時代だからこそ、鮮やかなかつ魅力的なボディカラーで、ライフスタイルをよりワクワク楽しく、エンジョイしようではないか!!