新型コロナウイルスのパンデミックにより、ツアーを中断しているテニス界。特にランキングが下位のプロ選手たちが経済的な影響を受けるなか、テニス不正監視団体であるTIU(テニス・インテグリティ・ユニット)が八百長ドーピングの増加を危惧している。

テニス界における八百長は後を絶たず、選手たちが置かれている経済的に困難な状況を大きな理由の1つに挙げる声も聞かれる。


現地10日に公式サイトで公開された声明によると、TIUは4月から6月の過去3ヶ月間に24件の不審な試合が報告されたという。その中には、ツアー中断の最中に行われた様々なエキシビションマッチに関するものも含まれていたようだ。


IBIA(国際賭博健全性協会)によると、2019年には不審なテニス賭博に関わる警告の件数は前年から43%減少した101件だった。これは、テニス界で八百長や不正に対する取り組みが継続されていることによるものであろう。しかし、終息の見えないコロナ禍の最中、TIUは警戒感を強めている。


TIUは声明で「汚職に手を染める者たちが活動を続けていると見られ、8月にプロテニスが再開されるとこのスポーツに焦点を合わせる可能性が高いと考えられる」としている。


「プレーと収入の機会が減り、数ヶ月間の活動休止を余儀なくされたことによって、(八百長などの)スポーツ賭博関連の汚職やドーピング違反へのリスクが高まっていると思われる」


こうした動きに対し、TIU教育部門はツアー再開に向けての選手教育ウェビナー(オンラインセミナー)を全選手に向けて提供しており、7月中には審判員や大会スタッフたちを対象とした同様の教育セッションを行うとしている。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2019年「全豪オープン」でのシルエット
(Photo by Andy Cheung/Getty Images)