エンジンかけっぱなしでクルマを離れるのはNG行為

 時々、コンビニの駐車場などでエンジンをかけたまま店内に入っていく人をみかけることがあります。駐車場でのアイドリングを禁止する施設が多いため、マナー的にNG行為といえますが、それ以外にもやってはいけない理由があるといいます。いったい、どのような理由なのでしょうか。

時々、エンジン切らずにコンビニなどへ入店する人を見かける(画像はイメージ)

 エンジンをかけっぱなしのままクルマを離れる人のなかには、「(お店の)トイレに行くだけだから」「飲み物を買うだけだから」など、利用時間が短いことを理由に、エンジンを付けたままにする人が存在するようです。

【画像】エンジン切らずに車を離れるのがNGな理由とは?(10枚)

 また、夏は車内の気温が上がりやすいことから、エアコンの停止時間を少しでも短くする目的で、エンジンを停止しない人もいるかもしれません。

 しかし、エンジンをかけたままクルマを離れる行為は、マナー違反となるだけでなく、道路交通法の「停止措置義務違反」に違反する行為です。

 道路交通法 第七十一条 五では以下のように記載されています。

「車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。」

 つまり、道路などでクルマを離れるときはエンジンを止め、サイドブレーキをかけて、ギアをパーキングレンジに入れて、しっかりと停車を維持することが法律で定められているのです。

 このように、短時間であっても違反となる可能性があるため、必ずエンジンを止める必要があります。

 また、カギをかけないでクルマから離れること自体も、道路交通法で禁止されています。実際に、道路交通法 第七十一条 五の二にも以下のように記載されています。

「自動車又は原動機付自転車を離れるときは、その車両の装置に応じ、その車両が他人に無断で運転されることがないようにするため必要な措置を講ずること。」

 なお、駐車場をはじめ公道ではない場所であっても、不特定多数の車両や人々が行き交うことを根拠に道路とみなされた判例もあります。

 どのような場所であれ、短時間の利用でも必ずエンジンを止め、ロックすることが大切です。

エンジンのかけっぱなしはバッテリー上がりの原因にもなる!?

 エンジンをかけっぱなしでクルマを離れることは、マナー違反や道路交通法違反であるだけでなく、バッテリー上がりをはじめとしたトラブルの原因にもなり得ます。

 バッテリーは、おもに車内の電子部品を動かす役割を果たします。しかし、バッテリー自体が蓄えている電気だけで、エアコンやライトなどの電装品を動かし続けると、短時間で電池切れを起こすことがあります。

 そこで、エンジンに「オルタネーター」という交流発電機を装着することにより、エンジンが稼働している走行中はバッテリーを充電しながら電気を使えるようにしています。

エンジンのかけっぱなしはバッテリーあがりの原因にもなり得る

 では、エンジンが稼働した状態では充電されるはずのバッテリーは、なぜ上がってしまうのでしょうか。

 その原因は、アイドリング状態でクルマを停車し長時間放置すると、オルタネーターの発電量よりも使用量が上回ってしまう場合があるからです。

 この発電量は、エンジンの回転数によって大きく変わります。一般的に回転数が高いと発電量も多くなるため、使用量を上回ることはほとんどありませんが、回転数が低くなると使用量の方が上回ってしまうため、バッテリーが上がる原因になります。

 実際に、走行中はエンジンの回転数も平均して高いため、高い発電量を得られます。

 一方、エンジンを付けたままアイドリングしている状態では回転数も低くなるため、この状態でエアコンを使い続けたり、ヘッドライトを付けたままにしたり、ワイパーを使ったりするとバッテリーが上がってしまう可能性があります。

 とくに、夏場は車内で冷房を付けたままコンビニで買い物をする人が目立ちます。このような停車時のエアコン稼働は、頻繁におこなうことでバッテリーが上がりやすくなる原因になりかねません。

 前述のようにマナー違反であることや道路交通法違反であることも含め、エンジンをかけっぱなしでクルマを離れるのは、たとえ短時間であっても絶対に避けるべきでしょう。

 また、ロックせずにクルマから離れると、車上荒らしや車両盗難だけでなく、子どもが誤って車内に入り込み、とじ込みなどの事故となる場合も想定されます。

 家の庭や車庫だからといって盗難は大丈夫というだけではなく、さまざまなリスクが考えられます。