先日歩いていると、1匹のスズメバチが私の周りを飛び回って離れてくれません。黒い服を着ていたのが余計に悪かったのでしょう。幸いそのうちどこかに飛び去ってくれましたが、もし刺されたらどうしましょう?

【写真】蚊、蜂、ムカデに刺されたら…基本的な対処法を覚えておきましょう

 スズメバチの毒は強力で、患部が赤く腫れあがり、痛みや痒みを伴います。普通でも治るのに1〜2週間かかります。それで済めばいいのですが、運が悪いとアナフィラキシー・ショックを起こします。これは命に関わります。2回目以降に刺されると起こる、とされていますが、体質、毒量によっては1回目でもショックをきたす可能性はあります。

 必要以上に怖がることはありませんが、スズメバチに刺されたら一人で居らず、15分くらいで息苦しさや動悸(どうき)を感じたらすぐ救急車を呼んでください。決して大ゲサではありません。

 実際に刺されてしまった場合にとる処置は3つです。〜磴近くにあったら、すぐその場を離れてください。蜂の毒液には仲間を呼び寄せるフェロモンが入っています。⇔水で傷口をしぼるようにして洗ってください。蜂の毒は水溶性なので水洗いが有効です。I垢保冷剤で患部を冷やし、痛みや腫れを緩和します。刺された「部位以外」に、じんま疹が出てきたり、腫れや痒みが出たら、すぐ病院へ行きましょう。

 とはいうものの、実際スズメバチに刺されたら、痛いし怖いし、たいていの方はすぐに受診して来られます。そんな時、私はエピネフリン(ショックを予防するアドレナリン)入りのキシロカイン(麻酔薬)にステロイドをちょっと混ぜて、局所に注射します。軟膏の成分を直接皮下に注射するちょっとズルい手ですが、外科医の裏技でけっこう効果があります。

◆松本 浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。