アヌーラは多摩動物公園にいる、国内最高齢のオスのアジアゾウです。
1956年に約3歳でスリランカから寄贈され、
67歳になった現在も日本で生活しています。

アヌーラは2017年に「新アジアゾウ舎(工事中)」に引っ越していて、
普段は見ることができない「隠居状態」なのですが
現在はどう過ごしているのでしょう?
多摩動物園の方に様子を教えてもらいました。




引越し先の「新アジアゾウ舎」。
屋内は完成していて、足に負担がかからないよう砂が敷き詰められています。

また、天井からエサを吊るしているので、自然に鼻を使う仕組み。
ゾウの鼻は数百キロあり、とても重たいので
鼻を動かすことにより肩や首の筋肉を維持できるのだそう。




PCウォールという特殊な柵を使って、脚を上げる練習を中心に、トレーニングをしたりしています。

脚に異常がないかの確認や蹄を整えるときなどに、人間が脚に触っても驚かないようにする訓練です。
アヌーラは「年の功」なのか、多摩にいるほかの若いゾウ・アマラやヴィドラよりも
落ち着いていて、スムーズにトレーニングが進むそう。




オスのゾウにはムスト(マスト)と呼ばれる謎の生理現象が年に1-2回訪れます。
イライラしやすくなり、目の横にある腺から分泌物が多く出る時期です。
世話をするのに普段より配慮が必要にはなりますが、
高齢のアヌーラにとっては「健康のしるし」とも言えるので
ムストが来ると飼育員さんはホッとするそうですよ。

「新アジアゾウ舎」全体の完成時期はまだ未定。
しばらくアヌーラとアマラ(2020年5月20日に引っ越し済み)には会えませんが、
園内のモニターで姿を確認することはできますし、
公開エリアではオスのヴィドラを見ることもできます。
遊びに行ってみてくださいね。