三谷幸喜作・演出の新作歌舞伎が映画館に。シネマ歌舞伎『三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』が、2020年10月2日(金)より東劇・新宿ピカデリーほか全国公開となる。

三谷幸喜作・演出の歌舞伎が映画館に!

映画『THE有頂天ホテル』『記憶にございません!』などを手掛ける三谷幸喜が、13年ぶりに歌舞伎作品を演出。『決闘!高田馬場』に次ぐ、三谷幸喜2作目となる歌舞伎は、昭和54年の連載開始から現在も続く、歴史ギャグ漫画『風雲児たち』が原作だ。

歴史の教科書で習った有名な人物から、歴史の授業ではなかなかスポットを当てられなかったマニアックな人物まで時代を生き抜く英雄たちの姿をユーモラスに表現した作品は、これまでNHKでテレビドラマ化されるなど、時代を超えて愛されてきた。

今回は、三谷幸喜が指揮をとり、松本幸四郎、市川猿之助、片岡愛之助と豪華キャストを迎えて、コミカルかつドラマティックに、人間らしく生き抜いた男たちの姿を表現する

映画館でみる“臨場感あふれる”シネマ歌舞伎

ユニークなのは、シネマ歌舞伎という取り組み。歌舞伎の舞台公演を撮影したものを映画館でデジタル上映するこの観劇スタイルは、俳優の息遣いや衣裳の細やかな刺繍までしっかりと捉えており、生の舞台とは異なる雰囲気が楽しめる。

2019年6月に歌舞伎座で上映された「三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち」がスクリーンに蘇り、新しい物語を綴る。

江戸時代、ロシアで遭難し帰国した実在の人物が主人公

作品の舞台は江戸時代後期。鎖国によって外国との交流が厳しく制限されるなか、大海原へ飛び出し、見知らぬ異国の地・ロシアに流れ着いた、神昌丸の乗組員・大黒屋光太夫が主人公だ。再び故郷へ戻ることを試みるも、方角すらわからない。異国の言葉と文化に戸惑いながらも、ロシアの大地を奥へ奥へと進んで行く勇敢な姿に焦点があてられる。

松本幸四郎、市川猿之助、片岡愛之助、松本白鸚ほか出演

主人公大黒屋光太夫を演じるのは、三谷幸喜演出の前作、歌舞伎『決闘!高田馬場』にも出演した松本幸四郎。古典から新作歌舞伎まで意欲的に取り組む松本が、日本へ帰ることを諦めず運命と闘い続けた、大黒屋光太夫を迫力満点に演じきる。

また、共に旅する神昌丸の乗組員・庄蔵には市川猿之助。同じく神昌丸の乗組員・新蔵には、大河ドラマなどでも活躍する片岡愛之助が選ばれている。

ロシア・サンクトペテルブルグで出会う女帝エカテリーナの最側近・ポチョムキンには、松本白鸚。また、三谷作品でおなじみの八嶋智人は、本作ではじめて歌舞伎に挑戦し、光太夫たちの日本への帰還の手助けをする博物学者キリル・ラックスマンと息子のアダム・ラックスマンの二役を担当する。

尾上松也が物語をナビゲート

声で物語の世界をナビゲートする“語り”には尾上松也を起用。エンターテインメント性たっぷりなのに、歌舞伎の古典的表現を活かした新感覚の三谷ワールドをぜひ劇場で楽しんでみて。

【作品情報】

『三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』
公開日:2020年10月2日(金)より東劇・新宿ピカデリーほか全国公開
原作:みなもと太郎
作:三谷幸喜
演出:三谷幸喜
出演:松本幸四郎、市川猿之助、片岡愛之助、八嶋智人、坂東新悟、大谷廣太郎、中村種之助、市川染五郎、市川弘太郎、中村鶴松、片岡松之助、市川寿猿、澤村宗之助、松本錦吾、市川男女蔵、市川高麗蔵、坂東竹三郎、坂東彌十郎、松本白鸚、尾上松也(語り)


【写真付きで読む】三谷幸喜演出シネマ歌舞伎『月光露針路日本 風雲児たち』ロシアから鎖国の日本を目指す予測不能の漂流物語

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