[ちちんぷいぷい−毎日放送]2020年6月22日放送の「へえ〜のコトノハ」のコーナーでは、関西人独特の会話術について取り上げていました。

関西人がよく使う「オノマトペ」。ものの様子や状態を表す擬音語です。

東京出身の毎日放送三ツ廣政輝アナウンサーは、東京から関西へ来て間もない頃、タクシーに乗り行き先を伝えると...。

「ああ、あのシュッとしたビルね。この道ピューと行ってキュッと曲がったとこですね」

と運転手さん。シュッ、ピュー、キュッとオノマトペだらけです。

転勤や進学、就職などで関西に来た人が戸惑わないようにと、番組ではその使い方やルーツを紹介していました。


ガーっと行って、もよく聞く関西弁(画像はイメージ)

商人文化の影響で普及?

試しに大阪の街の人にたこ焼きの作り方を質問してみると、「たーっと」「キュキュキュキューッと」「ドバっと」「ボコボコボコっと」「かぱっと」など、オノマトペのオンパレードでした。

関西弁の歴史に詳しい大阪大学文化研究科の金水敏教授によると、東京出身の三島由紀夫は「文章読本」の中で、

「オノマトペは使わないように!かしこそうに見えない!」

と書いたとか...。

落語でも東西でオノマトペの回数が違うそうで、理由を探ると江戸時代にさかのぼります。

いわゆる江戸のしゃべることに重きを置かない武士文化に対し、上方(関西)は商人文化で、商売を円滑にし、より儲けるためオノマトペを駆使したのでは?とのことです。

「儲かりまっか?」「ぼちぼちでんな(それほどでも)」というように。

今や全国だけでなく、海外でも通じる料理名「しゃぶしゃぶ」も、関西の商売人が擬音から考案したとのことです。

もともとの「牛肉の水炊き」から「しゃぶしゃぶ」誕生のきっかけは、店の調理場でおしぼりをすすぐ音から。おしぼりを洗う音「じゃぶじゃぶ」を心地よく、より洗練させてスマートにということで名付けられました。

身の回りにあふれるオノマトペ、関西人にとっては、会話を豊かにするために必要不可欠ですね。

(ライター:まみ)