最強オフローダー「ランドクルーザー」と競い合う動物たち!?

 人類が誇るテクノロジーの結晶であるクルマと、自然界で圧倒的な力を持つ動物が勝負をしたら、どうなるのでしょうか。

 アフリカや北極圏、ジャングルなど、どんな道でも走行できるトヨタ「ランドクルーザー」(略:ランクル)と、アフリカのサバンナで暮らす動物たちで、力や速さなどを比べてみました。

アフリカゾウ(写真左)とランドクルーザー(写真右)

【画像】存在感はアフリカゾウ並!? 「ランドクルーザー」の画像をささっと見る!(15枚)

 ランドクルーザーは、モノコック構造のクルマには無い頑丈なラダーフレームを持ちます。

 また、ぬかるみや岩場など走行状況に応じて駆動力を適切に配分するマルチテレインセレクトを採用した4WDシステムや、最高出力318馬力を発揮する4.6リッターガソリンエンジンを搭載。

 車両重量は2430kgから2690kgと重ためですが、あらゆる道を走行できる、地球上で最強のクルマのひとつです。

 一方で、動物のなかにはランドクルーザーを脅かす実力を持つものもいます。

 例えば、アフリカのサバンナに生息しているアフリカゾウは、体重が4000kgから7000kgに達します。

 単純な重さ比べでランドクルーザーはアフリカゾウにかなわないうえ、野生のアフリカゾウが親子のカバの群れと近づいたときに、「鼻で母カバをごろんとひっくり返したこと」が報じられ話題となりました。

 成体のメスのカバは重さが1500kgほどあるといわれていますが、もしかすると、相手がカバではなくランドクルーザーであっても、無事では済まないかもしれません。アフリカゾウの縄張りにクルマを駐車する際は、怒りを買わないよう注意が必要です。

※ ※ ※

 アフリカのサバンナには、地上最速の動物といわれるチーターも暮らしています。

 チーターの細長い胴体は筋肉のかたまりとなっていて、加速性能は動物のなかでも随一です。スタートしてから2秒で70km/h以上に達し、90km/hから100km/hで走ることができるといいます。

 仮に0-100km/hの加速を3秒前後とすると、それはもはやスーパーカークラスです。ランドクルーザーではとても太刀打ちできないでしょう。

 加えて、チーターはブレーキ性能(減速)もすぐれており、これによって狩りを成功させているといわれています。

 一方、クルマは100km/hからすぐに止まることはできず、停止に必要な制動距離は速度の2乗に比例して大きくなります。

 警察庁によれば80km/hで停止しようとした場合の停止に必要な距離は約55mとされ、チーターが驚異的な加速力と制動力を持つことがわかります。

ランドクルーザーに勝ち目があるのは何比べ?

 あらゆる道を走れるランドクルーザーでも、単純な力比べや速さ勝負では動物にかないません。しかし、積載力や持久力ではどうなるのでしょうか。

 比較してみると、この点ではクルマが動物より優勢ということがわかりました。

 ある動物園によると、例えばアフリカゾウにとって150kgを超す重量を背中に乗せての歩行は、非常に負担になるようです。

 また、アフリカゾウの最高時速は約40km/hとされていますが、いかに力強いアフリカゾウとはいえ、常に最高速度を出し続けるのは難しいといえるでしょう。

群れでアフリカゾウが歩く様子

 数トンにおよぶ巨体を考えれば驚異的な速度ですが、ランドクルーザーは舗装・未舗装を問わずあらゆる道を燃料がある限り走行可能で、吹きさらしとなるゾウの背中よりも高い快適性を発揮します。

 また、厚生労働省によると、成人男性の平均体重は約65kgとされています。

 クルマの乗員の重量制限は具体的な数値として発表されていませんが、ランドクルーザーの定員は2列シート仕様で5人、3列シート仕様で8人となっています。そのため、65kgの大人が8人乗車できると仮定すると、520kgを乗せて走行ができることになります。

 ランドクルーザーのメーターには180km/hまで表示があります。実際に、成人男性8人を乗せて180km/hでの走行は難しいかもしれませんが、ゾウよりも速いことは間違いありません。

 実際に、トヨタは2018年に「5大大陸走破プロジェクト」として、ランドクルーザーによるアフリカ横断を実施しています。

 そのなかで砂利道や草原のなかの未舗装路、アスファルトの敷かれた舗装路などのさまざまな路面を、ランドクルーザーはスムーズに走行していました。

 アフリカゾウであれば、水分や食事の補給、睡眠などの休憩は避けられません。

※ ※ ※

 クルマは、移動や輸送手段として、私たちの生活の一部となっています。ランドクルーザーは一例ですが、それ以外も多くのクルマが人や荷物とともに、長い距離を走っています。

 普段はあまり気が付かないそんなクルマのすごさは、動物と比較することによってわかりやすくなるのではないでしょうか。