自分の人生を大きく左右する“結婚”。それ故、大きな決断力が必要となる。

星の数ほどいる男女の中でどうしてその相手を選び、何故結婚を決意したのだろうか?

十人十色の、結婚の決め手を聞いてみた。

これまでに、結婚願望のない男が結婚を決めた理由や、復縁直後に結婚を決めた理由などを聞いてみた。さて今週は?




【今週の既婚者】

名前:美鈴(35歳)
職業:化粧品会社勤務
結婚歴:4年
結婚するまでの交際期間:1年

都内の化粧品会社で働く美鈴さん。実は半年前に出産したばかりで、6ヶ月になる可愛い娘さんがいるそうだ。

「今は育休中です。女性が多い職場ということもあり、制度もしっかり整っている会社のため、結婚しても出産しても変わらずバリバリ働く人が多いんですよ」

一見バリキャリのように見える美鈴さんだが、独身時代は全く違う考えを持っていたという。

「とにかく高年収の男性を狙っていました」

当時、デート相手は常に年収1,500万以上に絞り、専業主婦を夢見ていた美鈴さん。けれども彼女が結婚した相手は、同じ会社に勤める、理想とは少し違う男性だった。

“一体どうして”と皆に聞かれたそうだが、彼と結婚した理由は、女性ならば誰もが納得いくものである気がした。


高収入にこだわっていた女が、年収よりも優先したものとは?


都内の大学を卒業し、現在の会社へ入社した美鈴さん。女性が多い職場ということもあり、20代の時は食事会の回数も非常に多かったようだ。

「女社会なので、なかなか出会いがないんですよね…なので食事会は本当によく行っていました」

食事会に参加しながら、美鈴さんがとにかくこだわっていたのが相手の年収だった。

「ひたすら楽をしたい、と思っていたんです。“年収が高くて素敵な人と結婚すること”をゴールにしていました。今から考えると、相当恥ずかしい話なのですが(笑)」

スレンダーで美人な美鈴さんは、男性からの支持率も常に高かった。

食事会へ行ってもモテたため、意中の相手と交際までトントン拍子に発展することも少なくはなかったそうだ。

ただし、一つだけジレンマがあった。美鈴さんの好きなタイプの男性は皆、結婚願望がない人ばかりだったのだ。

「高収入の独身男性と出会えば出会うほど、とあることに気がついたんです。みんな、今が楽しいせいか全く結婚願望がない。特に20代だと束縛されたくない、と言う男性が多くて。結婚までは駒を進められませんでした」

また、仮に相手に結婚願望があったとしても、美鈴さんの方から“この人と交際はいいけど、結婚となるとなぁ”と思って別れた人もいた。

「相手のタイミングとこちらのタイミングが合わなかったり。またはどんなにお金持ちでも、この人と一生暮らしていくのは嫌だなぁと思ったり…」

しかし美鈴さんは、決して結婚に焦っていたわけではない。

「20代の頃は年齢なんて全く気にしていなかったし、それに多少歳をとっても、最近の女性は何歳でも皆若くてモテますし。だからいい人が現れたら結婚しよう、とのんびり構えていました」




だが30歳になった時、美鈴さんの考えはガラリと変わったそうだ。

「30歳の誕生日の直前、部屋でポツンとテレビを見ていた時に、突然ものすごい不安に襲われたんです。ちょうどその時は彼氏がいなくて、誕生日は独りで過ごすことになるのかなと思った途端に、“あれ?私このまま独りだったらどうするんだろう”と急に焦り始めてしまいました」

また、今まで悠長に構えていたはずだったが、30歳という節目のせいなのか、急に自身の年齢について考えるようになった。

「年齢のことを考えた時に、もう一つ不安が浮かび上がってきまして」

この時、美鈴さんの脳裏に浮かんだ不安要素が、今のご主人と結婚する決め手になったのだ。


30歳を目前にした女が突如襲われた不安の正体とは?


結婚のキメテ:早く子供が欲しいと思ったから&相手との子供を産みたいと思ったから


「30歳を目前にして、突然子供が欲しいな、と思ったんです」

今までそんな事を考えた事も、思った事もなかったが、美鈴さんはふとこう考えた。

「子供なんてまだまだ先でいいと思っていましたが、現実問題として、早いにこしたことはないのかな、と…。そしたら、今までのんびりしていたけれど、このままでいいのかな?とハッとしました」

そう思った途端に、いい思いはさせてくれるものの、責任を取ろうとしない周囲の男性達が一気に色褪せて見えてきたそうだ。

「私も、彼らのバックボーンや年収しか見ていなかった。人は合わせ鏡だから、結局相手も私の外見とか若さにしか興味がない人達だった。30代をむかえるにあたって、ようやくそんな事に気がつけたんです」

-結婚願望のない人にダラダラと時間を費やしてはいられない。

いつまでに子供を産みたいのか、そしてそのためには何歳までに結婚しておきたいのか…。自分の中で逆算してリミットを決め、一気に方向転換をした。

「前まではとにかく年収でしたが、“いい父親になりそうかどうか”、という視点で男性を見るようになりました。お金ではなく、子供が生まれた時に愛情をたっぷり注いでくれて、そして一緒に育てていける人間性があるか、で選ぶようになったんです」

そして美鈴さんは、今のご主人である裕太さんと交際を開始したのだ。




「前々から彼は私の事を気にかけてくれていて、誕生日が終わったあたりで、食事へ誘われたんです。以前だったら、ただの良い人でしたが、“いい父親になりそうかどうか”のフィルターをかけた時に、彼はまさに最高だなと」

裕太さんは、優しくて面倒見もいい。それに大手日系企業勤めで安定もしている。

だがそれだけではない。話をして彼を知っていくうちに、裕太さんの人柄にどんどん惹かれていき、そしてこう考えたそうだ。

「純粋に、彼との間に生まれた子供は可愛いだろうな、と思いました」

今までさんざん年収にこだわり、結婚をゴールに設定して専業主婦の道を探してきた美鈴さん。

だがどんなハイスペな男達よりも、直感で“彼との子供を産みたい”と思った男性を選び、そして結婚した。

「結婚のキメテは、もう女の直感でしかない。その人との子供が欲しいか、そして一緒に育てていきたいと思えるかどうか。そして子供が欲しいならば、どういう人生設計を立てるか」

最後に、“これは男性には分からない感覚なのかもしれませんが”と言いながら、こういう女性の直感を大事にした方がいい、と断言してくれたのだった。

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