Jリーグ再開で「再びキックオフされる」と独報道 「日本はドイツのモデルとなる」

 Jリーグは29日、6月27日からJ2とJ3、7月4日からJ1を無観客試合で再開させることを発表した。

 ドイツ紙「ターゲスシュピーゲル」が「日本がロックダウン(都市封鎖)なしでコロナウイルスをほぼ完全に制圧した方法」と特集を組み、「日本モデルはドイツのモデルとなるべき」と称賛している。

 新型コロナウイルスの影響でJリーグは2月の開幕節後に中断していたなか、4月下旬から5月上旬に順次再開する当初のプランは白紙に戻っていた。日本政府の緊急事態宣言が5月25日に解除され、同月29日にJリーグが臨時実行委員会を開催。同日、6月27日からJ2とJ3、7月4日からJ1を段階的に再開させると発表した。

 そのなかでドイツ紙「ターゲスシュピーゲル」は、「日本がロックダウンなしでコロナウイルスをほぼ完全に制圧した方法」と特集。「東京では学校が(段階的に)再開され、6月(17日)には人気の野球が無観客で再開される。サッカーのJ1リーグも7月4日に再びキックオフされる予定となっている」と伝えた。

 そのなかで脚光を浴びているのは“日本モデル”だ。「コロナウイルスの危機では、ある国は独自の道を歩み、成功しているようだ」と記し、「それは日本だ。わずか7週間で世界第3位の経済大国がパンデミックを制圧した」と称えている。また「コロナウイルス危機の対応で、日本は最初に激しく批判された。しかし、日本モデルはドイツのモデルとなるべきだと、ウイルス学者のクリスチャン・ドロステン氏は語る」と紹介した。

 記事では新型コロナウイルスによる死亡率に着目。「1億2650万人の人口を抱える日本は、新型コロナウイルス関連で871人が死亡したと報告している。人口100万人あたりで見ると、7人が亡くなった日本に対して、スウェーデン(414人)、イギリス(656人)、アメリカ(307人)、ドイツ(102人)は大幅に遅れている」と指摘している。

日本モデルが成功した要因を指摘 「自主性に基づくやり方で目標を達成した」

 記事では日本モデルが成功した要因の一つとして、「日本は一括で新型コロナウイルスの検査をするのではなく、クラスター戦略に重点を置いた」と言及。また日本の国民性も貢献したと触れ、「日本は、国民の日常生活を制限する完全なロックダウンなしに、自主性に基づくやり方で目標を達成した」と続けている。

「日本モデルが成功している他の理由は文化的な特徴もある。(基本的に)握手や頬のキスはなく、挨拶はお辞儀だ」

こうした“日本モデル”の成功により、国内のスポーツ界も徐々に動き出しており、Jリーグの再開も決まった。

 欧州のサッカー主要国では、ドイツ・ブンデスリーガが5月16日に再開。イングランド・プレミアリーグが6月17日、イタリア・セリエAが同月20日に再開予定となっている。また、スペインも6月中の再開を目指している一方、フランスやオランダ、ベルギーなどは今季の打ち切りを決めた。

 新型コロナウイルスの被害が広がる欧州諸国にとって、日本モデルは文字どおり“成功例”として映っており、Jリーグの今後の動向も注目を集めそうだ。(Football ZONE web編集部)