【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の韓国人慰安婦被害者、李容洙(イ・ヨンス)さんが25日、南東部・大邱市内で2回目となる記者会見を開き、慰安婦被害者を支援する市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)の前理事長で与党「共に民主党」の尹美香(ユン・ミヒャン)次期国会議員を強く批判したが、論争の中心にいる尹氏は沈黙を守り続けている。

 

 正義連の寄付金の使途などを巡る不正に尹氏個人が関与しているとの疑惑も持ち上がっているだけに、共に民主党の内部でも同氏が立場を表明する必要があるとの声が相次いでいるが、検察の捜査が本格化するなか、尹氏は国会議員職を辞退せず世論と検察の捜査の動向を見守るとの見方が優勢だ。

 尹氏を公に支持してきた共に民主党の南仁順(ナム・インスン)最高委員は26日、フェイスブックに「尹氏に関し提起された疑惑は釈明されなければならず、検察の捜査が進んでいるためその結果を見守りたい」と書き込んだ。釈明を促したことは、「事実確認が先」とする党の慎重な立場から多少踏み込んだものだ。

 韓日議員連盟会長を務める同党の姜昌一(カン・チャンイル)国会議員も、MBCラジオのインタビューで「じっとしているわけにはいかないのではないか。常識的な線で何か立場の表明がなければならない」とした上で「不正疑惑については釈明しなければならない」との考えを示した。

 党内では、尹氏が国会が開会する30日までにどのような形であれ立場を明らかにするだろうとの意見が出ている。

 しかし、尹氏は18日にCBSラジオのインタビューで「(国会議員)辞退は考えていない」と述べてから口を開いていない。

 共に民主党や国会の公式行事に出席しないままメディアとの接触も避けており、27日に開かれる党のワークショップにも参加する可能性は低い。

 また検察が正義連の事務所を家宅捜索して会計資料を押収しているので、検察の捜査を理由に尹氏が立場表明を引き延ばす可能性があるとの観測が出ている。

 共に民主党の朴省俊(パク・ソンジュン)院内報道官は、国会で記者団に対し「公式チャンネルではないが、尹氏と側近が話し合っていると承知している」とした上で、「行政安全部や女性家族部、国税庁などの調査結果を見て判断するというのが党の一貫した立場だ」と述べた。

 最大野党「未来統合党」の関係者は「検察が確認しなければならない資料が非常に多いという。国会開会前に令状を執行することはできないだろう」とし、「尹氏がこれまで見せてきた態度からして、議員職を盾に司法当局に立ち向かうとみている」と予想した。