◆ 完全復活を目指す和田毅

 ソフトバンクは26日、本拠地・福岡PayPayドームで紅白戦を実施。この日は紅組の先発が和田毅、白組の先発がマット・ムーアということで、元メジャーリーガー同士の投げ合いに注目が集まった。

 和田は2002年の自由枠でダイエーに入団した後、チーム名がソフトバンクに代わって以降も左のエース格として長らく活躍。2011年のオフに海外FA権を行使して海を渡ると、最初に契約を結んだオリオールズでメジャーデビューすることは叶わず、左肘の手術を行うなど苦しい時期を過ごしたが、2014年にカブスで念願のメジャーデビュー。見事な復活を果たし、2014年オフの日米野球ではMLB選抜の一員として日本凱旋も果たしている。

 その後、2016年シーズンから古巣・ソフトバンクに復帰。復帰初年度に最多勝と最高勝率の二冠に輝く活躍を見せるも、以降は肘や肩の故障から年間通して一軍に定着することができず。それでも、昨季は2年ぶりの一軍登板を果たし、12試合の登板で4勝を挙げるなど、2020年シーズンの完全復活に期待を抱かせるような姿を見せた。

 今春はオープン戦で2戦2勝、9イニングを投げて防御率3.00という成績を残しており、開幕一軍入りに向けて体調の良さをアピール。残念ながら開幕は延期となってしまったものの、自粛期間もアクシデントなく調整を続け、この日の紅白戦登板を勝ち取っている。

 立ち上がり、いきなり先頭の川島を四球で出してしまうと、内野ゴロで一死二塁。ここで柳田に高めの速球を弾き返され、ライト前への安打。この間に二塁から川島が還り、1点を失ってしまう。

 それでも、続く松田を外野フライに打ち取り、長谷川は変化球で空振り三振。中軸を落ち着いて斬り、初回は1点でしのいだ。

 2回も栗原にライトへの安打を許し、先頭の出塁を許したものの、つづく甲斐は遊ゴロで注文通りのゲッツー。西田も内野ゴロで、この回は3人斬り。テンポ良くアウトを重ね、2回1失点で久々の実戦マウンドを終えた。

◆ 投手の補強の目玉が…

 マット・ムーアは、今季からチームに加入した助っ人左腕。レイズ時代の2013年にはシーズン17勝を挙げるなど、世界最高峰の舞台でも一線級で戦っていた選手で、メジャー通算54勝の実績を引っ提げて来日した。

 2014年にトミー・ジョン手術を受けて以降、メジャーの舞台では苦戦が続いており、加えて昨年は打球が膝に直撃するアクシデントで半月板を損傷。手術を受けてから残りのシーズンは全休となっていただけに、その状態を不安視する声も少なくなかったが、来日後は春のキャンプから精力的な動きを披露。オープン戦でも3試合に登板し、8回2/3を投げて防御率は0.00。素晴らしい投球を披露している。

 しかし、この日は先頭の周東にショートの頭上をギリギリ超える安打でいきなり走者を許すと、つづく今宮にはエンドランを決められ、一二塁間突破の安打の間に無死一・三塁のピンチ。ここで3番の上林にも一二塁間を破られ、3連打で早々に1点を失ってしまう。

 なおも無死一・二塁と気の抜けない状況で中軸を迎えたが、バレンティンを右邪飛に打ち取ると、後続もストライク先行で落ち着いて切り抜け、なんとか最少失点。立ち上がりのピンチは1点でしのいだ。

 ところが、2回も先頭の明石に内角球を上手く弾き返され、センターへの安打。三振で一死後、ルーキーの柳町にはエンドランでレフトへの安打を許し、一死一・三塁と再びのピンチ。ここで8番の高谷に変化球を上手くすくい上げられると、打球はライトのテラス席へ。痛恨の一発を浴び、ひと振りで一気に3失点。

 さらに二死から快足・周東に四球を与えてしまうと、今宮にはセンターへの二塁打を許し、周東が一塁から一気にホームイン。この回だけで4点を失い、2回5失点と苦しい投球になってしまった。

◆ 5月26日(火)ソフトバンク紅白戦・スタメン

▼ 先攻:紅組

1番(三)周東佑京

2番(遊)今宮健太

3番(中)上林誠知

4番(指)バレンティン

5番(一)内川聖一

6番(右)明石健志

7番(二)三森大貴

8番(左)柳町達

9番(捕)郄谷裕亮

10番(指)九鬼隆平

<投手>

▼ 先発:和田毅

2回 打者8人 被安打2 与四球1 奪三振1 失点1

▼ 後攻:白組

1番(指)川島慶三

2番(二)牧原大成

3番(中)柳田悠岐

4番(三)松田宣浩

5番(右)長谷川勇也

6番(左)栗原陵矢

7番(捕)甲斐拓也

8番(遊)西田哲朗

9番(一)リチャード

<投手>

▼ 先発:マット・ムーア

2回 打者12人 被安打7 与四球1 奪三振1 失点5