「オンライン合コンがありましたがたいして盛り上がらなかったのでWi-Fiのせいにして強制的に切りました。あれはやめたほうがいいです」

そんなメッセージがツイッターで話題になっている。

「オンライン合コン」というコロナ時代の新しい出会いの形や、「Wi-Fiのせいにして強制的に切りました」という強引な対処法、「あれはやめたほうがいいです」という経験者からの有益なアドバイス。どの要素にもインパクトがあるが、人々を驚かせたのは、この言葉が書かれている場所だ。

こちらは、Bar電球(京都市左京区)のツイッターアカウント(@Bardenkyuu)が2020年5月22日に投稿したツイート。冒頭のメッセージは、バーの近くにあるという京都北白川郵便局の入り口前にかけられた黒いボードに書かれたものだったのだ。

郵便局の前に書かれた、郵便とは全く関係のないメッセージには、

「こういう郵便局、いいな!」
「これ書いた局員の人と飲みたいわ」
「こういうのいいね〜最高。ドンドン増えて欲しい」

など、思わず笑ってしまった人も多いようだ。

しかしこのボード、いったい何のために設置されているのだろう?Jタウンネット編集部は25日、京都北白川郵便局に電話取材し、詳細を聞いてみた。

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写真はBar電球のツイッターより

取材に応じた同局の局長によると、ボードは17年の春から毎日日替わりで、局で働く社員が書くようにしている。地域の人々に親しみを持ってもらうために、局長自ら発案したという。

「働いている人間をお客さんとか地域の方に知ってもらうっていう意味で、何か書いていこうかというので始めたんです。
自分が行ったこととか、自分がしたこととか書いて、それ見たお客さんに共感してもらったり、『これ知ってる』『これ私も』って窓口で話してもらうきっかけになってもいいかなと思って」

と局長。同局では入り口前のボードだけでなく、局の中でも月替りで社員の手作りの掲示物を貼るなど、親しみを持ってもらうために様々な取り組みをしているという。例えば、現在は壁一面に「ステイホーム」と書き、社員それぞれ自宅での過ごし方や、自宅でのオススメを貼り出しているそうだ。

「会社のポスターより、手作り感のあるものの方がみんな見てくれはったりする。実際局前の毎日書いてるボードも、この辺の近所の方とかでも、やっぱり通る時は絶対見るって言わはるんですよね。
外でお客さんに会った時も『この間こんなん書いてあったね』とか、郵便局来られなくても局前のは見られてるんで、見てくれはる人がいるなら続けようかなと思って続けている感じです」(同局局長)

ツイッターで話題になったことについて局長は、

「土曜日の朝に知り合いの局長さんから『バズってるよ』ってラインが来て、見て、うわって思ったんです。話題になるのは嬉しかったですけど、変な感じに広まっていったらどうしようっていう怖さもちょっとあったんで、今日は僕がそのままボードに、『金曜日のボードがバズったんで、嬉しいような怖いような』ってそのまま書きました」

と話していたが、ボードの内容に親しみを感じているツイートが多かったことを伝えると、「喜んでもらえるとすごく嬉しいです」とのこと。

ちなみに、「字が綺麗だ」という感想もかなり多かったが、22日のボードに関しては、

「たまたま、彼女(ボードを書いたユウキさん)は字がキレイなんです。それ以外の日はすごく汚い日もありますし...」

と教えてくれた。

局で働くいろんな人が、いろんな形の文字で日々メッセージを書いている京都北白川郵便局。郵便局というよりも「郵便屋さん」という言葉がしっくりくるような印象を受けた。大切な手紙も、信頼して預けることができそうだ。