―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

◆コロナ禍に人生初のフェラーリ2台持ち

 民間調査会社の予測によれば、5月18日に発表される今年1月から3月の日本のGDP=国内総生産は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で年率換算3〜6%台のマイナスになるそうです。4月から6月はさらに落ち込み、20%を超える厳しいマイナスになるという予測も出ています……。そんななか不肖、永福ランプ、中古フェラーリを増車し2台体制にしました!

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

◆新型コロナウイルスで景気が減速しても中古フェラーリは買っても大丈夫な理由

 読者のみなさまにはまったくどうでもいいことですが、私儀、つい先日、中古のフェラーリを買い足しました。フェラーリを買うのは通算13台目ですが、今回は初めてのフェラーリ2台持ち! 新たな旅立ちであります。幅ギリギリの自宅車庫に、まったく役に立たないクルマが2台縦に並びました。役に立つクルマは近所の月極駐車場です。

 もちろん私がフェラーリを1台持とうが2台持とうが、本当にどうでもいいことですが、「こんな時期にフェラーリを買って大丈夫なのか?」と思われることでしょう。

 私が、348GTS(支払い総額990万円)の購入を決めたのは3月下旬で、納車は4月5日。前者は世界の株価がドン底まで暴落した時期で、後者は安倍総理が緊急事態宣言を行う寸前でした。あれよあれよという間に、新型コロナの状況は猛烈な勢いで悪化していきました……。

 ただ、株の暴落はあまり気にしてませんでした。それは、リーマン・ショックの経験があったからです。

 リーマン・ショック時、フェラーリなどの超高級スポーツカー相場も暴落。投げ売りが続出しました。しかし暴落したのは、投機目的のバカ高フェラーリ。ほとんどが億超え中心の希少なクラシックモデルや限定モデルなどで、あとは最新モデル。そのはざまに位置する、庶民でもギリギリ買えるような底辺フェラーリ(1000万円以下)は、ほとんど影響を受けなかったのです!

 なぜかと言いますと、そういう底辺モデルには、投資家は絶対手を出さず、ベンチャー経営者がチャラチャラ乗り回すこともない。ただひたすら、純朴なるカーマニアの愛と欲望に支えられているからです! ベイエリアのタワマン相場はドンと下がっても、杉並区の一戸建てはあんまり下がらないみたいなもんか。

 もともとフェラーリは、きわめて値段が下がりづらいクルマで、1000万円の中古車を買って2年乗って手放しても100万円くらいしか下がらない。つまり100万円ぽっちで2年間世界最高峰を堪能できるという夢のような存在なのですが、その価値がコロナ禍で消滅することは断じてない……と考えております。

 で、実際のところどうなのか。中古フェラーリ専門店「コーナーストーンズ」の榎本修代表に聞いてみました。

「外出自粛の影響で、さすがに売れ行きは落ちてますが、相場は影響を受けてませんねぇ。コロナ禍が収まれば、何事もなかったかのようになるんじゃないでしょうか」

 リーマン・ショックでは暴落したバカ高フェラーリの相場も、今回は動いていない。

「そもそも売りものがほとんどないので動きようがありません」(榎本氏)

 ここ3年ほど、バカ高フェラーリは微妙に値を下げており、投機目的のオーナーはすでに売り抜けていたようです。現在はその多くが超富裕カーマニアの手元に。彼らには愛があるので、焦って投げ売りしてません。少なくとも今のところ。「リーマン・ショックの時は、出口が見えませんでした。でも今回は出口が見えてますから!」(榎本氏)