“サー”・アレックス・ファーガソン氏がマンチェスター・ユナイテッドの監督を退いてから、もう7年の月日が経過した。つまり、マンUは実に7年もの間リーグタイトルから遠ざかっているということとなる。ファーガソン氏の勇退以降、名門は苦戦を強いられている。

その悪夢が始まったのが、ファーガソン氏の後継者として監督の任に就いたデイビッド・モイーズ氏の時代だ。ファーガソン時代から低迷期突入の予兆はあったとの声もあるが、この男の監督就任が決定打であったことは間違いない。順位は低迷し、クラブ内外から批判が大噴出。結局1年を待たずしてモイーズはクラブを去ることとなった。

“低迷の元凶”。モイーズ氏のことをそう思っているファンも少なくはないだろう。当時は現地メディアによって、チーム内の雰囲気も悪いと伝えられていたモイーズ・ユナイテッド。あの頃をリオ・ファーディナンド氏は次のように振り返る。

「モイーズは無意識のうちにネガティブな雰囲気を作っていたよ。ファギーの時代は常にポジティブだったのにね。僕らはゆっくりとその雰囲気を失っていったんだ。モイーズの下でプレイするのは楽しくなかった」

「正直に言うと、何回か激しい議論を交わしたよ。私、ビディッチ、そしてモイーズの間でね。ある特定の事柄や物事のやり方で意見の相違が生じたんだ。防御的なセットアップについてだったかな。彼はあることを望んでいたんだが、私たちはそれに同意しなかった。モイーズはこれまで僕らとは違うタイプの選手と仕事をしてきたんだろうなと感じたよ」

英『BBC』のインタビューにて、ファーディナンド氏はこのように元上司との過去を回顧している。選手と指揮官のコミュニケーションはやはりうまくいっていなかったようだ。

90分間で81本のクロスを供給しながらもまったくゴールに結びつかなかった試合が話題になるなど、今ではある意味「伝説」として語り継がれている“モイーズ・ユナイテッド”。チーム内のゴタゴタ具合は我々の想像にとても近かったのかもしれない。

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