道の左側にパンクの原因となるモノが溜まりやすい

 タイヤのパンクというのは、わりと珍しくないトラブルのひとつだが、同じぐらいの走行距離、同じぐらいのクルマの利用頻度でも「これまでほとんどパンクなんてしたことがない」という人もいれば、「2年に1度、いや1年に1度ぐらいはパンクしている」という人まで極端な例が多い。これは運不運の問題なのだろうか? たしかに運もあるだろうが、パンクするかどうかは普段の乗り方とメンテナンスの仕方が大きく影響していると思われる。

 まず乗り方だが、クルマの4本のタイヤのうち一番パンクしやすいのは、左のリヤタイヤといわれている。なぜかというと、日本の道路は左側通行で、水はけを良くするためにかまぼこ状の左下がりになっているので、パンクの原因になる釘やネジ、金属片やガラス片が道路脇に集まりやすくなっているため。それらの異物を左フロントタイヤが踏んで後方に飛ばしたり、転がっていた釘を立てたりすることで、リヤタイヤに刺さってパンクを引き起こす例が多いのだ。

 したがって、普段から路肩、もしくは路側帯寄りのラインを走りがちな人は、よりパンクのリスクが高くなる。とくに雨の日や雨上がりは、雨水によってさまざまな異物が道路脇に流されてくるので、路肩側には近づきたくない。タイヤのためには車線内の真ん中付近を走るのが安全だ。

空気圧や溝に挟まった小石も要チェック!

 また、タイヤの側面を縁石等にこすりつけるのも、パンクの大きな原因になる。これも右側のタイヤより左側のタイヤを擦る確率が高いので、タイヤを縁石にヒットさせないためにも、左側のスペースは常にある程度余裕を持つことを心がけよう。

 メンテナンスに関しては、まず空気圧の定期的な点検が重要。空気圧の低いタイヤは荷重を支える力が低下しているので、ゴムや内部構造にストレスがかかりタイヤの寿命を縮めてしまう。また、タイヤの溝に小石などが挟まっていないかもチェックして、気がついたら取り除くこと。

 もちろん、摩耗やゴムの表面のひび割れなども大きく関わってくる。摩耗によりトレッドのゲージ(ラバーの厚さ)が薄くなってくると異物がゴムを貫通しやすくなるし、経年劣化で表面が硬化しひび割れているようなタイヤは、すでにゴムが弱っているのでパンクしやすい。

 JAFのデータでも、ここ数年、タイヤのパンクに関する出動件数は増え続けている。運転するときはできるだけ細かいゴミや異物などが落ちていないクリーンなラインを選び、工事現場付近や無蓋トラックの通行量が多い道を避けるような工夫をすると良い。また一ヶ月に一度は空気圧の調整とタイヤの目視点検をするようにして、パンクのリスクを軽減しよう。