楽天モバイルが携帯キャリアサービスを本日(4月8日)に開始します。NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクに続くもので、日本は携帯4社体制に突入する形です。楽天モバイル回線の特徴について、まとめました。

(更新:2020/04/08 10:10)サービス開始初日にau網回線利用に関する条件が変更となりました。本記事でも変更を反映させました。

●そもそも「携帯キャリアサービス」とは何か

楽天は従来から「楽天モバイル」という名称で携帯サービスを展開しています。新たに始める携帯キャリアサービスは何が異なるのでしょうか。

従来の楽天モバイルは、NTTドコモ・auから回線の一部を借りて、携帯サービスを展開する、いわゆる格安スマホ(MVNO)です。回線の一部を借りているに過ぎないため、電波の帯域をフルに使うことができず、混雑時などには通信速度が大きく低下するなどのデメリットがあります。

一方、4月8日から本格始動する携帯キャリアサービスは、自社で基地局を建設し、自社で構築した回線を利用します。格安スマホと異なり、免許を与えられた電波をフルに利用できるため、通信速度の面でも有利になります。つまり、NTTドコモ・au・ソフトバンクと同列となるわけです。

●当初はau回線を借りて全国をカバー

しかし、自前で基地局を構築する関係上、当初はどうしても基地局が薄くなり、エリア上不利となります。

そこで楽天は、まず東京・大阪・名古屋の3大都市でエリアを整備し、それ以外の地域は期限付きでau回線を間借りすることで、全国展開を実現しています。

●料金は音声・データ無制限で月2980円、しかも300万人は1年無料

料金プランは1つのみ。月2980円で通話やデータ通信無制限の「Rakuten Unlimit」を提供します。海外でのデータ通信も2GBまでは無料です。加えて、300万名限定で1年間は同プランを無料で利用できます。

●完全な無制限は「東京・大阪・名古屋在住者」だけ

『月額2980円で通話やデータ通信が無制限』というのは、一見すると魅力的です。しかし、それは楽天回線に限定した話。au回線の利用は月5GBの制限が設けられています。月5GBを超過すると、通信速度はYouTubeの標準画質を難なく再生できるレベルの1Mbpsに制限されます。

東京・大阪・名古屋の三大都市以外では、前述のエリアの関係上、大半の地域で当面はau回線に切り替わります。また、3大都市内でも、地下鉄や一部屋内などau回線に切り替わる場所もあります。つまり、未だ整備途上の楽天回線エリアにずっと身をずっと置かない限り、無制限にはなりません。

楽天は速やかに自社回線を拡充するとしていますが、当面はこの状況が続くものと思われます。なお、au回線の容量は500円で1GBを追加できます。

●iPhoneは正式には未対応だが使えないわけではない

楽天では正式開始時点で十数機種の対応スマートフォンを用意しますが、それらはすべてAndroid端末。日本のシェアの半数を占めるiPhoneは含まれていません。また、他キャリアのユーザーが楽天のサービスをフルに利用する場合、ほとんどのケースでスマホを買い替える必要が生じます。

なお、楽天モバイルサービス自体はSIMフリーで提供しており、iPhoneもXR以降であればSIMを挿せば使えるとの情報もあります。ただ、通話アプリの「楽天LINK」がそもそもiOSに非対応で、通話定額を利用できないほか、正式なサポートを受けられないことを留意する必要があります。

楽天モバイルの広報担当者は、iPhoneへの対応予定について『現時点では申し上げられることはない』とコメントを控えており、対応時期は不透明です。

●申し込み方法

新型コロナウイルスの影響で、楽天モバイルのショップは全て臨時閉店となっていますが、オンライン経由で問題なく申し込みが行えます。なお、先行申し込みは3月4日に開始しており、本日(4月8日)より申し込み者にSIMカードおよび製品が順次到着する予定となっています。