新型コロナで甚大な被害を受ける母国スペインを懸念 「不安と苦悩が尽きない」

 J1ヴィッセル神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタは、新型コロナウイルスの甚大な被害を受けている母国の状況に不安を口にした一方、日本での生活に関して「異文化では良いものと…」と語っている。

 スペイン紙「ムンド・デポルティーボ」が伝えた。

 世界中で拡大している新型コロナウイルスは日本でも猛威を振るい、Jリーグは一時中断に追い込まれている。さらに神戸では元日本代表DF酒井高徳をはじめ、関係者にも感染者が出ており、今月1日にはクラブハウスと選手寮の両方で消毒・滅菌作業を実施した。

 スペイン紙「ムンド・デポルティーボ」は「日本からイニエスタの不安と苦悩」と報道。イニエスタは「スペインにいない時にこういう状況になると、不安と苦悩が尽きない。いろんなものを読むし、いろんな情報が入ってきて、それが影響している」と語り、母国の状況に懸念を強めている。

 新型コロナウイルスの感染者は世界で128万7168人、死亡者は7万530人に達した(worldometers集計/6日22時時点)。スペインでは感染者13万5032人、死亡者1万3055人(いずれも世界2番目の多さ)と緊急事態に陥っており、イニエスタも最新情報を日々収集しているようだ。

 一方、日本も状況が日々悪化しており、感染者3654人(世界32番目)、死亡者85人(世界28番目)にのぼる。イニエスタは「3カ月ほどこうした状況が続いている。大きなイベントや学校も当初から中止になったり、休校になったりしている」と言及。それでもスペインに比べて感染拡大を抑えており、「異文化では良いものと、そうでないものもあるが、ここでは衛生面の規律が守られていて、感染リスクは最小限に抑えられている」と説明している。

 スペインの名手は、今回の出来事が全人類にとって一つのターニングポイントになると見ているようだ。「単にスポーツ界だけでなく、誰の人生においても転機となる。子供との生活の仕方、衛生面、食事など、より健康的で幸福に生きるためのすべてだ」と力説。そして「これは個人の問題ではなく、すべての人の問題であることを私たちに教えている」と続けた。

 イニエスタも日々不安を募らせており、1日も早い終息を願うばかりだ。(Football ZONE web編集部)