【ソウル聯合ニュース】新型コロナウイルスの感染拡大が長期化し、世界的に航空便の利用が激減するなか、韓国の航空業界は済州線など一部回復傾向がみられる国内線を中心に活路を模索している。

 

 航空業界によると、格安航空会社(LCC)のエアソウルは6日から金浦―済州線を週32往復に拡大した。当初、週25往復だったが、先月から週2〜3往復に減らしていた。

 エアプサンも、先ごろ釜山―済州線を毎日3往復から5往復に、金浦―済州線も毎日2往復から3往復に増便。先月から運航を取りやめていた蔚山―金浦線、蔚山―済州線を今月末から再運航することも検討している。

 ティーウェイ航空は、今月25日から5月31日まで清州―済州線の不定期便を毎日4往復運航することを決めた。

 ジンエアーも金浦―済州線を平日は1日6往復、週末は8〜10往復に増便している。

 このような動きは、近ごろ済州路線の搭乗率が70〜90%台に上昇していることを受けたものだ。

 エアソウルの関係者は「海外旅行が難しくなり、済州など国内線が回復傾向を示している」とし、「4月は平均85%以上の搭乗率が予想され、週末は1日5〜6往復に運航回数を増やして便宜性を高めた」と述べた。

 別の航空会社の関係者も「済州線は基本的に需要がある」と説明した。

 ただ、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための「社会的距離の確保」の強化期間が延長された上、国内線の旅客需要も回復には至っておらず、当分の間航空業界の苦境は続く見通しだ。

 国土交通部の航空統計によると先月の済州空港の発着旅客数は96万9206人で、前年同月(216万7259人)の半分にも満たない。

 航空会社の関係者は「これまでに比べて運航便数がほぼ半減しているため、実際の利用客数に比べて搭乗率が多少高く感じられる面もある」と指摘する。

 

 別の関係者は「現在運航できるのは国内線しかないため、各航空会社が国内線を増便しており、再び需要より供給が多くなっている」とし、一部路線は運航回数を増やした後に再び減らしたと説明した。

 このような中、済州では他地域から来た新型コロナウイルス感染者が有名観光地を旅行したことで市中感染の懸念が高まっており、花見の自粛や祭りの中止などの措置が取られている。