【ソウル聯合ニュース】韓国入国後、費用が納付できないという理由で隔離施設に入ることを拒否した30代の台湾人女性が5日、強制出国となった。韓国法務部が6日発表した。韓国政府が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて実施している措置に従わなかったことが理由で外国人が国外退去になったのは今回が初めて。

 この台湾人女性は2日に仁川空港から入国した際、施設での隔離と費用の納付に同意した。しかし施設に到着した4日になって費用を納付できないという意思を示し、施設に入らなかった。法務部は5日午前0時30分ごろ、台湾人女性を清州の出入国・外国人事務所に引き渡した。女性は同日午後7時45分の便で出国した。

 隔離施設で過ごすための費用は2週間で140万ウォン(約12万4000円)程度。この女性は観光目的で入国したことが分かった。

 法務部関係者は「費用の負担を理由にした拒否は新型コロナウイルス拡散防止のためのわが政府の隔離措置を拒否したものと判断し、(国外)追放することを決めた」と説明した。

 韓国政府が全ての入国者に対し2週間の自主隔離を義務付けた4月1日から5日までに、隔離を拒否した外国人は11人で、この11人は全て入国が認められなかった。

 法務部は自主隔離中に無断で外出するなどの違反をした外国人についても調査を行い、国外退去にするかどうかを決める方針だ。5日には自主隔離中に所在確認ができるアプリの入った携帯電話を持たずに外出したベトナム人留学生3人が出入国・外国人事務所に呼び出され、約3時間調査を受けた。