【ソウル聯合ニュース】新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、韓国の新規感染者のうち海外からの入国者が占める割合が半分に迫り、防疫当局が頭を悩ませている。

 韓国の中央防疫対策本部は5日、この日午前0時現在の韓国での感染者数は前日午前0時の時点から81人増え、計1万237人になったと発表したが、新規感染者のうち、およそ半分の40人が海外からの入国者だった。

 40人のうち、24人は空港などの検疫で見つかったが、残りの16人は入国手続きを終えた後、地域社会で感染が確認された。

 海外で感染したものの症状がないまま入国し地域社会で感染が確認される入国者は、国内での感染拡大を招く火種になりかねないことから懸念が高まる。さらに、入国後に自主隔離を守らず、外出したケースも報告されており、当局の悩みは深まる。

 全羅北道・群山市では4日、ベトナム国籍の留学生3人が自宅に位置情報の確認が可能な携帯電話を置いたまま外出したことが確認された。また、症状がある状態で入国し、自主隔離の勧告を受けたにもかかわらず、これを無視した英国人もいる。米国留学から帰国した韓国人女性とその母親は、症状が出ていたにもかかわらず済州島への旅行を強行した後に感染が確認され、済州道から巨額の損害賠償を求められた。

 米国や欧州などをはじめ「パンデミック(世界的大流行)」状況が改善されない中で、海外からの入国者の管理はコロナ対策で最も重要なことの一つとなっている。

 このため、海外からの入国を全面的に禁止すべきとの声が上がるが、当局は入国者の9割が韓国国民であることから、そうした措置は検討しないとの立場だ。

 政府は入国者の感染が続いていることから、入国者全員に対し、2週間の自主隔離を義務付けた。違反した場合、1年以下の懲役または1000万ウォン(約87万円)以下の罰金が科せられる。