お弁当作りに役立つ家電を紹介します。左からレコルト「エアーオーブン(RAO-1)」、阪和「サラダチキンメーカー(PR-SK023)」、小泉成器「エッグスチーマー(KES-0400/S)」(筆者撮影)

春から新学期がスタートし、お弁当作りが始まるご家庭にとって、頭を悩ませるおかず作り。毎日のことなので、彩りやおかずのバリエーションを考えるのも一苦労、という方も多いのではないだろうか。そこで今回は、お弁当作りの時間を節約できる最新調理家電を紹介する。

油を使わないヘルシーな揚げ物を手軽に作れる

レコルト「エアーオーブン(RAO-1)」(実勢価格9900円)は、温度と時間を設定するだけで、油を使わずに揚げ物ができる調理家電だ。お弁当のおかずとして定番の唐揚げも、調味料に漬けておいた鶏肉を並べ、温度と時間を設定するだけでできる。忙しい朝の時間でも、油で揚げる手間を省けるのでラクだ。

唐揚げであれば鶏肉1枚分(約300g)を一度に調理できる。食材を網の上に並べるだけで、唐揚げの場合は190℃で15分。予熱を入れても20分以内でできる。揚げ物は火加減が難しく、焦げたり、中がパサパサ(または半生)になったりすることもあるが、目を離していても失敗なくできるのはうれしい。

上部にヒーターとファンが搭載されており、庫内に熱を満遍なく送るため、調理した唐揚げを見ると場所によって焼き色に差がある、ということはなかった。


出来上がった唐揚げ。白い部分は片栗粉が多かったところ(筆者撮影)

油で揚げてないが、鶏肉に含まれている油だけで、かむとジュワッと肉汁があふれるほどジューシーだ。 カロリーも抑えられるので、健康に気を遣うヘルシー志向の大人にもおすすめだ。面倒な油の処理をする必要がなく、お手入れも簡単。今まで揚げ物に使われていたコンロが空くからほかのおかずも同時に作れる。

唐揚げやフライのほかに、魚や野菜のグリル、チャーシュー、スペアリブ、春巻、ローストビーフなどもできる。ちょっとだけお酒のつまみを作りたい、というときにも、温度と時間を設定するだけなのでラクにできる。庫内が狭いので、予熱も数分で終わるのはうれしい。

2013年初頭に登場し、一躍ヒット商品となったフィリップスの「ノンフライヤー」も同様のコンセプトだったが、本体サイズが大きく、キッチンに置きにくいという声も多かった。「エアーオーブン」は、A4サイズに収まるコンパクトなサイズも魅力だ。

胸肉でしっとり、サラダチキンが失敗なくできる

その名のとおり、ボタンを押すだけでサラダチキンを完璧に作ってくれる阪和「サラダチキンメーカー(PR-SK023)」(2020年5月上旬発売予定、実勢価格4950円)も便利だ。


むずかしいサラダチキンも家庭で簡単にできる、阪和「サラダチキンメーカー(PR-SK023)」。本体は小さいので場所をとらず、棚などにしまっておいても軽いので出し入れしやすい(筆者撮影)

サラダチキンといえば、コンビニでも定番の食品。低糖質・高タンパクで、ダイエット食としても人気だが、自宅で調理し、しっとりと仕上げるのは難しい。鶏の胸肉を使用するので、沸騰した湯でゆでてしまうとパサパサになってしまう。

サラダチキンを作るのに最適な温度は65℃前後だ。同製品は「やわらかモード」を搭載しており、65℃(±5℃)に維持してくれる。

容量は300g程度の鶏胸肉1枚で、コンビニで販売しているサラダチキンの約2〜3食分が一度にできる、先に鶏肉に塩こしょう等で下味をつけておき、水、酒、長ネギの青い部分、ショウガと一緒に容器に入れ、「やわらかモード」ボタンを押して待つだけ。約2時間後、ブザーが鳴ったら、そのまま15分ほど置いてから取り出す。


やわらかく、臭みがないサラダチキンができた(筆者撮影)

出来上がったサラダチキンは、しっとりとしていてプリプリ。臭みもなく、しっとりとやわらかいサラダチキンは子どもたちにも大好評だった。

塩分は控えめなので、お弁当に持っていくのであれば棒々鶏風にしたり、ドレッシングをあえたり、少しアレンジするとさらにおいしくなる。わが家の女子高生は脂っこいものが苦手なので、サラダチキンをベースに味変えをしてお弁当に入れると毎回喜ぶ。ダイエットをしている方や、胃腸が少し疲れているときにもうれしいメニューだ。

ほかにも刺し身用のマグロやサーモンを使って「サラダフィッシュ」ができる。魚も低温で火を通すので、サラダチキンと同様、しっとり仕上がる。スパイスを効かせたり、タルタルソースをかけたり、お弁当用に少しアレンジするとおいしい。調理時間はかかるもののほったらかしで失敗することがなく、節約もできる。

固ゆで、半熟、温泉卵ができる「エッグスチーマー」

お弁当で定番のゆで卵。味付け卵にしたり、サンドイッチにスライスして入れたり、いろいろと出番は多いが、ゆでている最中に殻が割れてしまうことがある。また、黄身を真ん中にするために卵を鍋の中で転がすのが面倒だと感じることはないだろうか。

そこで固ゆで、半熟、温泉卵を完璧な状態に仕上げてくれるという小泉成器「エッグスチーマー(KES-0400/S)」(実勢価格3270円)を試してみた。立てて蒸すタイプで、ゆで卵なら最大6個、温泉卵なら最大3個作ることができる。

使い方はシンプルで、計量カップに水を適量入れ、水受けに水を入れて卵をセットし、ふたをしてスイッチを回すだけ。付属の計量カップには、個数やゆで加減ごとの目盛りがあるので、水量もわかりやすい。

鍋でゆでる際、ゆで卵の黄身を真ん中にしたい場合は数分間コロコロと卵を転がしながらゆでる方法が一般的だが、「エッグスチーマー」はとがっているほうを下にして立てればあとはおまかせ。固ゆでなら約16分、半熟なら約10分、温泉卵なら約30〜40分で完成する。

出来上がった固ゆで、半熟卵は切ると黄身が真ん中に収まっている。鍋にぶつかって殻にヒビが入ることがないので、白身などが飛び出ることもない。いったんスイッチを回してしまえば待つだけなので、朝の忙しい時間でもほかの調理をしながら作ることができた。


ゆで卵が簡単にできる小泉成器「エッグスチーマー(KES-0400/S)」(筆者撮影)

半熟卵は規定どおりで調理すれば、お弁当用にちょうどいい固さだ。しょうゆなどに漬け込めば味玉になるため重宝している。温泉卵はお弁当には向かないかもしれないが、夕飯時などに使える。トロトロで、ハンバーグや海鮮丼などに追加するなど、さまざまな料理に活用できるので、わが家では出番の多い調理家電となっている。

今回紹介した3つのお弁当向き調理家電は、どれもサイズがコンパクト。容量も小さいので予熱も短時間で終わり、時短にもつながる。置き場所もとらず、収納などもしやすく、価格も手頃だ。ぜひお弁当作りでお悩みの方はチェックしていただきたい。