米専門メディアが選出、井上を評価「最も破壊的なボディーパンチャー」

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)と、WBO同級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)の3団体統一戦は、4月25日(日本時間26日)に米ラスベガスで予定されていたが、米国を含む世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となった。そんな中、米メディアでは「最も破壊的なパンチャー10傑」を格付け。日本の誇るモンスターは堂々の2位に選出されている。

 もはや驚きはないかもしれない。「ランキング ボクシング界で最も破壊的なパンチャー10人」と特集したのは、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」だった。マッチメーカー、プロモーター、トレーナー、元選手が全17階級の現役タイトルマッチ経験者から最強パンチャーを選出する企画。この中でモンスターは絶大な評価を受けた。

 42勝(41KO)1敗1分けで、KO率は驚異の93.2%を誇る前WBC世界ヘビー級王者デオンテイ・ワイルダー(米国)が1位に輝いた。2月にプロ初黒星で王座陥落した猛者に続き、2位に「Naoya Inoue」の名前が挙がっている。寸評ではこう評価されている。

「いかなる階級でザ・モンスターが戦ったとしても、彼のパワーはついてくるだろう。イノウエの11月のノニト・ドネア戦で連続KO勝利は8で止まったが、ここまでのキャリアで最も印象的な勝利だったかもしれない。彼は圧倒的にサイズ差のある相手に、ほとんどKO勝ちを収めそうになったのだ」

 昨年11月のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝では、2階級上のフェザー級からキャリア全勝だったバンタム級に落としたドネアと対戦。井上は体格差の大きいドネアをKO寸前まで追い込み、死闘の末に判定勝ちを収めた。「フィリピンの閃光」と呼ばれたレジェンドに対し、11回の左ボディーでダウンを獲得。同メディアは必殺の一撃に注目し「ボクシング界で最も破壊的なボディーパンチャー」と称賛している。

3位以下も錚々たるメンバー、カネロとゴロフキンは何位?

 ドネア戦までジェイミー・マクドネル(英国)、フアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)と新旧世界王者に2ラウンド以内で3連続KO。衝撃的な戦績も高い評価対象となっている。

3位 WBC&IBF世界ライトヘビー級王者のアルツール・ベテルビエフ(ロシア)
4位 IBF世界クルーザー級王者のユニエル・ドルティコス(キューバ)
5位 世界3団体ヘビー級統一王者アンソニー・ジョシュア(英国)
6位 4階級制覇王者サウル・アルバレス(メキシコ)
7位 WBA世界ライト級王者ガーボンタ・デイビス(米国)
8位 IBF世界ライト級王者テオフィモ・ロペス(米国)
9位 IBF世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)
10位 WBC世界ミドル級王者ジャーモール・チャーロ、WBC世界スーパーウェルター級王者ジャーメル・チャーロ(ともに米国)

 凄まじいハードパンチャーの中で、KO率84.2%を記録している井上の破壊力は絶大な評価を受けているようだ。(THE ANSWER編集部)