現在レアル・マドリーからマジョルカにレンタルされている18歳の久保建英と、マドリーのフベニールC(主に2003年生まれで構成)に所属する16歳の“ピピ”こと中井卓大。昨年6月に前者がマドリーと電撃契約を交わしたことで、奇しくも同じチームに所属することになった2人の若き日本人MFを、マドリー専門メディア『Defensa Central』が取り上げている。

「マドリーが日本人デュオの爆発を夢見る」と見出しを付けた記事で、まず久保がマドリーに加入した効果を伝えている。

「タケフサ・クボがラ・リーガでの最初のシーズンに示した優れたクオリティーと自信は、日本市場における革命となった」

 そして、「久保の調印により、マドリーは多くのグッズを購入してくれる1億2900万人の(日本)市場を促進した。日本はアジアでもっとも豊かな国であり、一人あたりの平均所得は3万8000ユーロ(約470万円)だ」と紹介。「クボの署名は、日本の歴史における画期的な出来事だった。マドリーでプレーした最初の日本人選手となり、日本サッカーを進化させるポテンシャルを示した」と続けた。

「このMFの登場により、国内でのマーケティング、テレビ、イメージといった存在感をさらに高めることができた。そして、日本での売り上げは増加し、これは久保がかつて所属していたバルセロナへのダメージともなった」
 
 また中井については、次のように言及している。

「マドリーには、驚くべきプレーを見せているもうひとりの日本人がいる。フベニールCの“ピピ”タクヒロ・ナカイだ。その才能とクオリティーには疑いの余地がない。アレビンAに入団してから、今シーズンで6年を迎える」

 記事は「マドリーは、近い将来に久保とピピの日本人コンビが、チームで居場所を作れるのを願っている」として、最後にこう綴っている。

「マドリーの大きな望みは、日本サッカーとマドリーでふたりが歴史的偉業を達成することだ。これまでマドリーで成功した日本人選手はいないため、母国でのマーケティング収益がさらに増加するだろう」

「マドリーは久保の才能を信頼しているだけでなく、ピピがこのまま成長を続け、彼のチームメイトとともにトップチームに到達するのを期待している」

 昔から面識があり、先月7日に開催されたラ・リーガ第27節のエイバル戦で、久保が今シーズン3点目を決めた時には、中井がSNSでメッセージを送るなど、スペインでも親交を続けているふたり。将来、白いユニホームを着て同じピッチに立つ日は、はたして訪れるのか――。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部