ベジクタシュ残留を選ばず、念願のスペイン挑戦 古巣元副会長は皮肉

 サラゴサのMF香川真司は昨夏の移籍市場で、ドルトムントを離れて念願のスペイン挑戦を決めた。

 一方で、直前に期限付き移籍していたベジクタシュの関係者は“恨み節”を口にしているようだ。トルコメディア「ASPOR」が報じている。

 香川は2010年夏、J1セレッソ大阪からドルトムントへ完全移籍。ユルゲン・クロップ監督(現リバプール監督)の下、攻撃的MFとして重宝され、ブンデスリーガ2連覇に貢献した。その後、マンチェスター・ユナイテッドでの2年間を経て14年夏にドルトムントに復帰。2018-19シーズン冬の移籍市場でトルコ1部ベジクタシュに期限付き移籍し、シーズン後にはサラゴサへ完全移籍を果たしている。

 念願のスペイン挑戦1年目、香川はここまでリーグ戦23試合2得点を記録。現在はリーグ中断中だが、チームは首位カディスに勝ち点1差の2位につけている。そんななか、2018-19シーズンにベジクタシュの副会長を務めたフセイン・ユセル氏は、残留の道を選ばなかった香川に批判を向けているという。

「ASPOR」によると、香川の獲得に尽力したというユセル氏は「香川の獲得には幸運があった。移籍マーケットの終了まで2時間しか残っていなかったんだ」と冬の移籍市場での出来事を回顧。さらに夏には年俸90万ユーロ(約1億円)のオファーを出したことも明かしたうえで、「それなのに、面白いことに彼はスペインの2部に行くことを選択した。日本人はもっと賢いと思っていたんだがね。とても面白い」と皮肉交じりに語っている。

 この発言にスペイン地元メディア「エル・デスマルケ」も注目し、「香川を頼りにできない状況に落胆」と伝えている。サラゴサが好不調の波がありながらも1部昇格を視野に捉えているのに対して、トルコ屈指の強豪ベジクタシュはリーグ戦中断の時点で首位トラブゾンスポルと勝ち点9差の5位。思うようなシーズンが送れていないフラストレーションが、香川へと向いてしまったのかもしれない。(Football ZONE web編集部)