ちょっと小腹が空いた時や、給料日前であまり財布に余裕がない時、サラリーマンにとって心強い味方である牛丼屋。

いまや日本を代表するファストフードとなり、万人に愛される牛丼だが、同じく庶民の味であるカレーやラーメンとは異なり、個人店が少なくチェーン店での展開がメインとなっていることも大きな特徴かもしれない。

牛丼チェーンといえば、すぐに代表的なものがいくつか頭に浮かぶが、実際にはどこのチェーンが最も好まれているのだろうか。今回は、マイナビニュース会員513人にアンケートを実施し、「最も好きな牛丼チェーン」を聞いた。

牛丼チェーン、どこの店が最も好き?


Q.あなたは牛丼チェーンの中でどこのお店が最も好きですか?

1位「吉野家」(42.9%)

2位「すき家」(24.4%)

3位「松屋」(20.3%)

4位「なか卯」(10.3%)

5位「その他」(2.1%)

Q.そのチェーン店が好きな理由、好きなメニューなどを教えてください

○■「吉野家」

・「味が一番安定している。普通に牛丼」(38歳男性/その他/その他・専業主婦等)

・「ちょうどいい量で、食べなれた味」(46歳女性/教育/事務・企画・経営関連)

・「昔から食べなれてるせいか、同じ牛丼でもこれしか食べられない気持ちになる」(40歳男性/通信関連/営業関連)

・「牛丼と言えば吉野家。牛丼の味は、吉野家が基本になってる」(45歳男性/エステティック・美容・理容/販売・サービス関連)

・「王道の牛丼大盛。昔から食べてきた味で、昔も今も一緒で変わることのない味。特別美味しいわけではないが、あの価格であのクオリティは、本当にすごいと思う」(38歳男性/その他/その他・専業主婦等)

・「牛丼は吉野家が一番好きな味だし、時間限定だが定食のご飯のおかわりが無料になったのもうれしい。どこにでもあるし行きやすい。他のチェーン店も好きだから行くけど……」(47歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)

・「味が一番自分の好みだから。牛丼に味噌汁、卵をつけて頼んでいます」(45歳男性/建設・土木/その他・専業主婦等)

・「自宅の近所に店舗があり、味がおいしく、割引クーポンなどもよく配られ、お得に食事ができる」(37歳男性/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)

・「Tポイントが貯まることと、早い・安い・うまいの三拍子が揃っているから」(45歳男性/農林・水産/技能工・運輸・設備関連)

・「一番おいしいと思う。Tポイントが貯まる。好きなメニューは、牛丼つゆだくと牛すき鍋膳」(47歳男性/専門商社/営業関連)

・「発券機をあえて置かないスタイルが、やはりいいですね。牛カルビ丼が好きです。テイクアウトも」(39歳男性/その他/メカトロ関連技術職)

・「安くて近くにあるから。最近ライザップとタイアップして発売している『ライザップサラダ牛丼』が美味しい。女性なので、こういうメニューがあると入りやすい」(28歳女性/教育/専門サービス関連)

・「お米もお肉も美味しいし、卓上の紅生姜をたくさん盛って食べるのが好きなので。紅生姜の美味しさもナンバーワンだと思う。私はいつも牛丼並盛りのつゆだく。山のように紅生姜を盛り、七味もかけていただいています」(45歳女性/その他/その他・専業主婦等)

○■「すき家」

・「お店が比較的近くにあることと、チーズ牛丼やキムチ牛丼など、トッピングが豊富なところが良いです」(45歳女性/専門店/事務・企画・経営関連)

・「牛丼屋の中でも安いところと、メニューが豊富なところが好きな理由です」(36歳男性/ビル管理・メンテナンス/その他・専業主婦等)

・「メニューが豊富でキャッシュレスが使える」(40歳男性/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)

・「牛丼以外にも丼メニューが充実している。安い!」(46歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)

・「自宅や職場から近くにあり、よく利用する。好きなメニューは、ランチセット(500円)」(44歳男性/シンクタンク・マーケティング・調査/専門職関連)

・「少し濃い目のタレが気に入っています。好きなメニューは3種のチーズてす。カレーもよく食べます」(47歳男性/その他/その他・専業主婦等)

・「牛丼の味自体は吉野家が一番いいと思うが、牛丼以外にもウナギやマグロなどを扱うなど、メニューが豊富でいい」(34歳女性/その他/技能工・運輸・設備関連)

・「牛丼以外の丼もののバラエティがあること。マクロたたき丼など」(38歳男性/その他電気・電子関連/事務・企画・経営関連)

・「今はもうないが、昔『カレー南蛮牛丼』というメニューがあり、それにドハマりしてしまってから、すき家があると寄りたくなってしまう。甘めの味付けが九州っぽくて好き(九州出身」(24歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)

・「朝の『たまかけ朝食』が安くて好き」(47歳男性/金融総合グループ/販売・サービス関連)

・「家族連れでも入りやすい雰囲気だから。好きなメニューは、3種のチーズ牛丼」(39歳男性/その他/その他・専業主婦等)

・「CMでの印象が良い」(21歳男性/その他/その他・専業主婦等)

○■「松屋」

・「安いし、カレーもおいしいし、店内ならお味噌汁付き」(37歳女性/その他/事務・企画・経営関連)

・「期間限定メニューがコンスタントに発売されるから」(49歳女性/その他/その他・専業主婦等)

・「ねぎ塩カルビが大好きだし、他の店にない珍しいメニューが多い」(43歳女性/その他/その他・専業主婦等)

・「まず肉が旨い。味付けも旨い。気持ち程度のお吸い物なども、ソコソコの旨さ。価格が安い。スマホ決済が使える。キャンペーンが多い」(35歳男性/建設コンサルタント/メカトロ関連技術職)

・「味噌汁が付いているので。ブラウンソースエッグハンバーグ定食」(32歳女性/金融総合グループ/事務・企画・経営関連)

・「朝食のメニューが安くておいしい。食券が便利。好きなものは、ソーセージエッグ定食」(43歳男性/農林・水産/その他・専業主婦等)

・「味噌汁が無料で提供される。牛めし並盛はコスパが良いメニューだと思う」(42歳男性/その他/その他・専業主婦等)

○■「なか卯」

・「なか卯の親子丼が『やさしい』味で、一番好きですね」(37歳女性/教育/専門サービス関連)

・「親子丼がメインで美味しい。定食もある。近くの店が24時間」(42歳男性/食品/事務・企画・経営関連)

・「親子丼と麺類のセット。安くて割とボリュームがある」(40歳男性/その他/事務・企画・経営関連)

・「他の牛丼とはちょっと違う。唐あげの無料券をくれる」(38歳男性/その他/その他・専業主婦等)

・「そこしか行ったことがないっていうのもあるし、うどんの種類で好きなものがある」(34歳女性/その他/その他・専業主婦等)

○■総評

調査の結果、牛丼チェーンの中で最も好きな店は、「吉野家」が42.9%を集めトップとなった。2位には「すき家」(24.4%)、3位「松屋」(20.3%)、4位「なか卯」(10.3%)と続いた。5位「その他」は2.1%だった。

2020年2月現在の、各グループの牛丼カテゴリーの店舗数を見てみると吉野家は1,214店。すき家は最も多く、1,936店。松屋は961店。なか卯は464店となる。吉野家は店舗数ではすき家の後塵を拝しているものの、支持率は1位となっており、やはりさすが老舗の貫禄と言えるかもしれない。

そのチェーン店が好きな理由、好きなメニューなどを聞いた。各店で印象的なワードを見てみると、吉野家では「基本」「安定」「食べなれている」「一番おいしい」「自分の好み」など目立った。同様にすき家では、「トッピングやメニューが豊富」「安い」「キャッシュレス」。松屋は、「定食や期間限定メニューが豊富」「味噌汁付き」「カレー」「食券」。なか卯は、「やさしい味」「親子丼」「うどん」「麺類」などとなった。

カレーやラーメンに比べ、ファストフードとしての牛丼の歴史は比較的浅く、吉野家が1973年からフランチャイズチェーンを展開したことで一般的に親しまれるようになったとされる。その意味で、吉野家は日本における牛丼のイメージを決定づけたパイオニアであると言えるだろう。今回の調査でも「牛丼といえば吉野家」という声は多く、安定した支持を受けていることがわかる。

先行する吉野家に対して、すき家・松屋は後発となるだけに、それぞれ「トッピングや変わり種メニュー」(すき家)、「カレーや定食、味噌汁無料」(松屋)などで特色を打ち出しており、コメントでもそれらの個性を評価する意見が多かった。「牛丼一筋」のイメージの吉野家に対して、すき家・松屋は多彩なアイディアやヴァリエーションで勝負という感じだろうか。

すき家・吉野家・松屋の御三家に対して、なか卯はやや特殊な立ち位置だ。大阪発祥の同店は、現在はすき家と同じくゼンショーホールディングスの一員だが、スタート時からうどん、親子丼など牛丼以外のメニューに力を入れてきた。純粋な牛丼店とは言い難い面があり、実際に2014年に一度、牛丼の販売を終了し、2015年に復活するという経緯を辿っている。アンケートでも、牛丼に関する問いにも関わらず「『親子丼』『うどん』が好き」という回答が目立つ。今回、全体の1割程度の支持を得たことは大健闘と言えるかもしれない。

上記の4チェーン以外では、「神戸らんぷ亭」や「養老乃瀧」「東京チカラめし」なども牛丼を提供するチェーンとして知られているが、5位「その他」(2.1%)のコメントでは「特にない」「行かない」「利用したことがないのでわからない」など、具体的な店名を挙げるものは皆無だった。

結果的に今回の調査は、牛丼界における「3強(すき家・吉野家・松屋)+1(なか卯)」の存在感が際立つものとなっている。

調査時期: 2020年3月17日

調査対象: マイナビニュース会員

調査数: 513人

調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません