おにぎりは、日本人にとって非常になじみ深い食べ物であり、大好きだという人も多いことだろう。コンビニエンスストアでは多くの種類のおにぎりが販売されており、最近ではおにぎり専門店もあるほどだ。しかし、同じく米を食べる習慣の中国では、おにぎりを食べる習慣はほとんどない。

 中国メディアの新浪網は、「なぜ日本人が愛するおにぎりを中国人は食べないのか」と題する記事を掲載した。その理由を知ると「誇らしい気持ちになる」という。

 記事はまず、古代日本は資源が非常に少なかったため、唯一豊富な資源は魚だけだったと主張。しかし保存がきかないため日本人の食事は漬物に白米、みそ汁程度だったとしている。また、国土の小さな日本では米があまりとれないので「ぜいたく品」であり、武士が戦場へ持って行く携帯食品だったと分析。これがおにぎりの由来で、今でもその習慣が残ったのだとしている。

 また、日本人が「最も好きなものは刺身」で、寿司にするときには白米を冷たくしてから食べると紹介。そのため日本人は冷たいご飯を食べることが多いが、中国人は冷たいご飯を食べることは好まずにチャーハンなどにすると違いを強調した。

 それで記事は結論として「つまり日本は以前非常に貧しく、物資が欠乏しており、おにぎりは位の高い武士が食べることのできる食品であったので、今でもおにぎりを食べる習慣が残っているのだ」と主張。そして、中国人はハイブリッド米を開発した袁隆平のおかげでみんながお腹いっぱい白米を食べられることに感謝すべきだと結んだ。

 記事では独自の視点で日本人のおにぎり好きを分析しているが、そもそも日本の米は冷めてもおいしいという特徴があることには言及していない。中国の米は温かければまだよいが、冷めると不味くなるものがほとんどで、おにぎりとして食べるには適していないと言えるだろう。そもそも冷めたものを食べる習慣のない中国ではおにぎりという食べ方は不要だったのかもしれないが、おにぎりのおいしさを知らない中国人は少し気の毒のような気もする。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)