ひとの腸内に住む『ヤセ菌』と『デブ菌』。

これらは日々食べるものによって、増えたり減ったりし、それによってやせやすい体になったり太りやすい体になったりする……ということは、以前オレンジページデイリーでもお話させていただきましたよね。

〈前回のおはなし〉

そもそも『ヤセ菌』って何?

それならば、『ヤセ菌』を増やしてやせやすい体質にしたいわ……! というあなたのために、本日は『ヤセ菌』を増やす食材の代表格、『昆布』のお話をします。

●『昆布』のどんな成分がヤセ菌を増やすの?

そもそも、昆布の一体何が『ヤセ菌』を増やしてくれるのでしょうか?
早稲田大学研究院教授の矢澤一良先生によると、昆布を水に戻したときのあのぬめりがカギなんだとか。

あのぬめりの正体は、昆布に豊富に含まれる『アルギン酸』と『フコイダン』という、食物繊維の一種が溶け出したもの。この2つの成分こそが、腸内環境を整え、老廃物や余分な糖質、脂質を輩出してくれるのだそう。
 

ふむふむ、なるほど。

そうなると次はどうやって食べれば、この2つの成分をより効率的に摂取できるのかが気になりますよね…。

●『ヤセ菌』を増やす成分を効率よく摂取する方法

昆布の『アルギン酸』と『フコイダン』を効率よく摂取するポイントは、ずばり細胞をこわすこと。細かく切ったり、加熱して煮くずれさせて断面を多くしたほうが、これらの成分を摂取しやすいのだとか。

つまりは細かく加工されている、とろろ昆布や……、

切り昆布なんかは、『ヤセ菌』を増やすのにうってつけというわけ! 

とろろ昆布は加熱しなくても食べられるので、白身魚のお刺身にのせたり、具や調味料と一緒にお椀に入れて熱湯を入れた、『注ぐだけスープ』にするなど、とっても簡単に取り入れることができます。

切り昆布は、調味料と一緒に煮立てて香味野菜を加えれば、立派な『たれ』に。お豆腐やうどんにかけたり、サラダのドレッシングとして使ったりと、様々なものにトッピングできて、毎日こつこつ摂取できますよ。

う〜ん、毎日の料理に取り入れるのも簡単なら、腸にいい成分もとれちゃうだなんて、なんて最高なアイテムなんだ……!

●一日の目標摂取量は……?

そんな素晴らしい食材『昆布』。いったい1日どれくらい食べればいいのでしょうか? 効果を実感するのに必要な量は、一日15〜30g。これは乾燥状態での質量です。

食べる時は食事の最初もしくは一緒に食べると、昆布の食物繊維が糖質や脂質の吸収をブロックしてくれて、太りにくくなるのだそうですよ。

昆布で『ヤセ菌』を増やして、やせやすい体質に。毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

監修/矢澤一良 メニュー監修/小田真規子 料理/岡本 恵、清野絢子(スタジオナッツ) 撮影/郄杉 純 文/編集部・持田

(「いま」知りたいことが全部ある! ヤセ菌で食べやせ ヤセ菌が増えるごはんとおかず96品。(オレンジページ刊)より)