AppleはiPhoneの動作が停止した際に、無線経由でOSを復元する「無線でのOS復元機能」を計画していることが明らかになりました。この機能はiOS 13.4のベータ版の解析により明らかになっています。

Apple planning over-the-air OS recovery for iOS devices based on iOS 13.4 beta code - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2020/02/26/apple-planning-over-the-air-os-recovery-for-ios-devices-based-on-ios-13-4-beta-code/



iPhoneの動作が停止した場合、MacやPCと端末をつなぎ、ファームウェアを復元する必要があります。少し前まではこの方法がうまく機能していたものの、近年はiPhoneをコンピューターにつないで使用するという人が減ったため、ファームウェアの復元はユーザーにとってより困難なものとなっています。

こういった状況を解決するために、AppleはiOS向けに「OSリカバリー」という新機能をテスト中であることが明らかになりました。OSリカバリー機能はiOS 13.4の最新ベータ版を解析することで発見されています。Apple関連の情報を取り扱う9to5Macは、「我々が知る限り、iPhoneやiPad、その他のAppleデバイスをコンピューターに接続することなく復元するための新しい方法のように見えます。ただし、この機能はまだ開発中のものであり、いつでも破棄される可能性があるため、まだシステムからアクセスすることはできません」と記しています。

iOS 13.4の最新ベータ版で発見された「OSリカバリー」機能の画面は以下の通り。9to5Macは「iOSに移行アプリと同じように、無線経由で直接端末を復元することができるようになるはず」と記しています。



また、macOSに存在するOS復元機能のように、インターネット経由でOSそのものを再インストールするものである可能性も指摘されています。

なお、前述の通りiOSのOSリカバリー機能はあくまでテスト段階にあるものなので、同機能が間もなく利用可能になるものなのか、それとも次期メジャーバージョンとなるiOS 14で実装されるものなのか、はたまた実装されないままになるのかなどは不明です。

・おまけ

iOS 13.4ベータ版では、iPhoneを自動車の鍵として使用できるようになる新機能「CarKey」の存在も明らかになっています。CarKeyはiPhoneのNFCを用いて自動車のロックを解除したり、エンジンをかけたりすることが可能になるという機能。Face IDの認証を必要としないため、iPhoneやApple Watchのバッテリーが切れた状態でも、自動車の鍵を開けたりエンジンをかけたりすることができます。



なお、CarKeyはiOSのウォレットアプリ経由でペアリングが行われ、その後のセットアップは自動車メーカーごとの専用アプリで行う必要があるとのこと。また、ユーザーがウォレットアプリ経由で自分のApple端末で管理している自動車の鍵を、他者と共有することも可能です。