ブラック企業から逃げ出そうとする人は少なくない。長時間労働、低賃金、パワハラ、セクハラなどが蔓延する職場に嫌気がさすのは当然だ。しかし、ブラック企業側も「安い賃金で従順に仕事をしてくれる社員を手放したくない」と思うのもまた当然なのかもしれない。

販売・サービス職の30代男性は会社からの引き止めにあっている。「退職希望をしているのに話をそらせて辞めさせてもらえない」と綴る。ブラック企業に引き止められて退職が困難になったことがあるキャリコネニュース読者のエピソードを紹介する(文:林加奈)

「くたくたになるまで働かせてやろうかぁ?そうすりゃ辞めるなんてこと考えなくなるよ」


医療・介護系の40代女性も「辞めさせてくれない。なかなか辞める手続きをしてくれない」という。販売・サービス職の40代男性は、過去に勤務した地域密着型のスーパーマーケットが「スーパーブラック」だったという。

「あまりのブラックぶりに、入社2か月で辞めようとしたところ、店長に『どうせ辞めても行くところないんだろう?』『くたくたになるまで働かせてやろうかぁ?そうすりゃそんな辞めるなんてこと考えなくなるよ』と言われ、退職は認められませんでした」

実際に、毎日くたくたになるまで働かされた結果、適応障害になり休職。そのまま退職した。そのスーパーは退職後、3年程で閉店したという。

有休取得させない会社は、有休取得させることで退職を回避させる

技術職の40代男性は、「有休を取ろうとしたら評価下げると脅された。退職願を出そうとしたら取らせてくれた」と語る。本来、有給休暇は誰でも取得できるものだし、社員の評価とは一切関係がないはずだ。

またそれ以上に、退職されるくらいなら有休取得させるという思考がブラック企業然としている。男性の職場はもともとサービス残業が当たり前で、説教が多く、罵声メールが追い打ちでうつ病を発症し、やっとのことで退職したという。

管理・事務職の50代女性は、過去に労基から就業時間について指導が入った職場について綴る。夜中1時までの残業は日常茶飯事で、残業代なし、正社員なのに社会保険未加入という過酷な環境だった。

「自分は耐えられないと思い退職を申し出ましたが退職させてもらえず、労基に訴えるというと威圧的にねじ伏せられました」

その後、地元に帰省すると同時に荷物をまとめ、発送手続きをして逃げるように辞めたという。辞めさせてくれない以上、強行突破するしかなかったようだ。

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