14日に行われた3. リーガ(ドイツ3部)第24節プロイセン・ミュンスター対ヴュルツブルガー・キッカーズ戦(0−0)の試合中に起こった人種差別行為に対する、観客のアクションが話題を呼んでいる。18日、フランス紙『レキップ』が報じた。

 同試合では、メインスタンドにいたプロイセンのサポーターの1人が、ヴュルツブルガーのガーナ系ドイツ人DFリロイ・クワドォーに対して、黒人差別に用いられる「モンキーチャント」で攻撃。同選手からのクレームを受けて、主審が試合を一時中断した。

 すると、その他のプロイセンサポーターからの通報によって、警備員が人種差別行為を働いた人物をその場で特定し、スタジアムから追い出すことに成功した。さらに、観客は「ナチスは出て行け」のチャントを歌い、別のプロイセンのサポーターの1人は、ピッチまで出てクワドォーのことを慰めた。

Chills.

In Germany, a fan hurled racist slurs towards Leroy Kwadwo, a Ghanian football player.

When other fans saw it, they alerted security, who escorted the man out.

Then, as opposing players came to hug Kwadwo, the entire stadium stood up and chanted "Nazis Out!" pic.twitter.com/FHQP9Pe18J— Muhammad Lila (@MuhammadLila) February 15, 2020

 クワドォーは試合後、公式声明を通じて次のようにコメント。ファンの行動に感謝し、人種差別の撲滅を訴えた。

「親愛なるサッカーファンへ。残念ながら、プロイセンとのアウェイ戦中に不幸な出来事がありました。僕は1人の観客から人種的に侮辱されました。僕の肌の色は違うけど、僕は、僕と家族に多くを与え、様々なことを可能にしてくれるこの素晴らしい国で生まれました。僕はドイツ国民の一人です」

「誰もが『人種差別は僕たちの世界にふさわしくない』と知っている必要があり、昨日のような出来事は僕を悲しくさせ、怒りを覚えさせます。スタジアムにいたすべての人々、プロイセンの選手や責任者、特に僕のチームとキッカーズに感謝します。みなさんの反応は模範的だ。僕や他のすべての有色人種の選手にとって、そのことが何を意味するのか想像もつかないでしょう。僕たちはあなた方の行動のように戦い続けて、(差別の)芽を摘み取らなければならない!今回の出来事によって、人種差別がついに終わることを願っています」