米ミシガン州ウェイン郡にあるホテルのプールで先月24日、2歳男児が溺れる事故が発生した。プールにはたまたま非番の看護師がおり、迅速に心肺蘇生法を施したことで男児は命を救われた。リボニア警察署は今月12日に事故当時の動画を公開、『People.com』『Fox News』などが伝えたことにより衝撃的な映像が拡散している。

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ミシガン州ウェイン郡リボニアにあるホテル「ホリデイ・イン・エキスプレス」の屋内プールに設置された監視カメラの映像が、リボニア警察署によって今月12日に公開された。

動画では男児が階段近くからプールに入り、水面から頭を出そうと手をバタバタさせてもがいているのが見て取れる。プール内には15人ほどが遊んでいたが、誰一人として異変に気付く者はいない。

その後男児は、仰向けのまま半分沈んだ状態でプール中央に移動。まだ手足を動かしてはいるものの、しばらく経つと水中に沈み姿が見えなくなってしまった。

男児がプールの底で動かなくなっているのに気付いたのは9歳の少女で、一緒に来ていた祖母に助けを求めている。駆けつけた祖母は大声で「ヘルプ」と叫びながらプールに沈む男児を引き上げて救出し、たまたま学会でホテルに滞在していた看護師の女性2人がプールサイドで男児に心肺蘇生法(CPR)を施した。

男児がプールの底に沈んでいたのは5分ほどだったが、救急隊が駆けつけるまで続けられたCPRにより息を吹き返し、病院へと搬送された。

男児はすでに退院しているが、『People.com』では事故当時に男児の母親も屋内プールにいたことを明かしており、ウェイン郡検察局がホテルの監視体制や母親の責任も含めて調査を進めているという。またリボニア警察署は「4人の連携により男児が助かったことは奇跡的だ。迅速な救命処置だけでなく、水遊びをする際には子供から目を離さないことがいかに大切か、1つの教訓として動画をシェアしてもらいたい」と呼びかけている。

なお米疾病予防管理センター(CDC)によると、米国内で不慮の溺死は一日に10件発生しており、うち2件は14歳以下だという。CDCは「水の事故を防ぐにはCPRの習得や子供の監視はもちろんのこと、早いうちから水泳のレッスンを受けさせたり、ライフジャケットの装着なども有効である」と述べている。

画像は『Livonia Police Department 2020年2月12日付Facebook「According to the Centers for Disease Control and Prevention, three children die every day as a result of drowning.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)