2020年末に発売が予定されているソニーの次世代ゲーム機「プレイステーション 5(PS5)」について、その製造コストが450ドル(約4万9000円)に達するとBloombergが報じています。

Sony Is Struggling With PlayStation 5 Price Due to Costly Parts - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-02-14/sony-is-struggling-with-playstation-5-price-due-to-costly-parts



ソニーの現行ゲーム機PlayStation 4(PS4)の発売開始時点の399.99ドル(日本での希望小売価格は税込4万1979円)で、これについてIHSマークイットはPS4の製造コストを381ドル(当時のレートで約3万8100円)だと見積もっていました。この見積もりを元にBloombergは、PS5でPS4と同等の粗利益を確保する場合、PS5の希望小売価格は最低でも470ドル(約5万1600円)に達すると予測しています。

マッコーリー・キャピタルのアナリストのダミアン・トン氏は、「現状最も高価なソニーのゲーム機は希望小売価格3万9980円のPS4 Proです。PS4 Proはすでに値引きされて販売されていることを考えると、PS5の希望小売価格は消費者にとって高すぎるといえます」とコメント。トン氏は、消費者はPS4およびPS4 Proを基準にしてPS5の価格を予測すると分析しており、「ソニーが消費者の予測を超える価格を設定した場合、高額な製造コストを埋め合わせてバランスを取る必要があるだろう」と指摘しました。



ソニーのような自社製ゲーム機を販売するメーカーは、ゲームソフトやオンラインサブスクリプションサービスで利益を得られるため、ゲーム機の販売価格をほとんど製造コストと同額かそれよりも安い価格で販売するケースがあります。ソニーの吉田憲一郎CEOは「ゲーム機の成功は販売台数ではなく、アクティブユーザー数によって判断されるべき」と過去にコメントしたこともありました。そのため、PS5の希望小売価格が製造コストの約4万9000円よりも安くなる可能性も指摘されています。

ソニーの事業に詳しい専門家によると、PS5の部品はほとんど全てが決定されており、今後の変更はないとのこと。また、Bloombergは通常のゲーム機では1ドル(約110円)未満の冷却システムが採用されるところ、PS5では熱問題を解決するためにより高価な冷却システムを採用していると指摘しています。また、5G対応スマートフォンの製造のため、DRAMとNAND型フラッシュメモリの需要が高まっており、これらの部品の供給が安定しないことがソニーを悩ませているとのこと。DRAMの供給不足が原因で、ソニーは2020年に販売を予定していた新型ミラーレスカメラの機能を一部削減したそうです。



Microsoftも次世代ゲーム機「Xbox Series X」を2020年内に発表する予定です。MicrosoftはXbox Series Xの価格を2020年6月に開催されるElectronic Entertainment Expo(E3)で発表するとみられており、Xbox Series Xの価格がPS5の価格を左右する可能性が高いとBloombergは報じています。