昨年秋、ジェフリー・エプスタインとの関係についてインタビューで語ったアンドルー王子。エプスタインの未成年に対する性的虐待に加担したという疑惑は否定したけれど、エプスタインが少女たちを連れ込んでいたニューヨークの自宅を訪れたこと、また彼とビジネス上の関係があったことは認めていた。

インタビューで被害者の女性たちに対する思いやりや配慮の言葉がなかったことや、性犯罪者との関係から利益を得ていたことで大批判を浴びた王子は11月に声明を発表。公務からしばらく身を引くこと、さらに「アメリカの法機関が行うエプスタインの犯罪に関する捜査には協力する」ことを表明した。

でも捜査に全く協力していないことが明らかに! 今週初めニューヨーク州南地区地方検事のジェフリー・バーマンがエプスタインのニューヨークの邸宅の前で記者会見を行った。その中でバーマンは「今の時点でアンドルー王子の協力は皆無」と断言。エプスタインとの関係について聴取したいと連絡を取ったが「全く返事がない」と説明している。

バーマンは記者会見の中で捜査の詳細については明かさなかった。でも現在エプスタインと共謀した可能性のある人物を探していることは認めた。「エプスタインの犯罪は協力者なしには行えない。捜査が現在も進行中であることは確かである」と語っている。

検事の発言に対して英国王室はまだコメントを発表していない。関係者は新聞「デイリーメール」に「これは王子の法務チームが対応している問題」と語っている。一方、エプスタインの被害者たちの弁護士リサ・ブルームはテレビ番組で「声明を出しておいて裏では違う行動をとるアンドルー王子に対し、検事が恥ずかしい思いをさせようとしたことを歓迎する」「王子は何を隠し、何を恐れているのでしょう?」と怒りと疑念を露わにしている。英国王室と王子がこれからどのような態度を示すのか、続報を見守りたい。

text: Yoko Nagasaka