"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は、世界的に見て、モノやサービスの料金が"安い国"日本の今後について語る。

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ひろ 僕、パリに住んでるんですけど、電化製品や服は日本に帰国するたびに買ってるんですよ。10年ぐらい前はアメリカの「ベスト・バイ」という家電量販店が安かったのでよく買っていたんですけど、今は日本のほうが断然安いんで。本当に日本は"安い国"になったなと思います。

ホリ 日本経済新聞が、ディズニーランドの入場料金(カリフォルニア1万3934円に対し、日本は7500円)とかダイソーの商品価格(タイ214円に対し、日本は100円)とか、日本の価格の安さを報じていたよね。

ひろ フランスにも無印良品やユニクロはあるんですけど、だいたい日本の3割増しくらいの値段です。それでも普通に売れているんですよ。

ホリ 海外に行かない人はなかなか気づかないだろうけど、本当に日本のモノやサービスは安くなってるよね。

ひろ 日本の名目GDP(国内総生産)って世界3位ですけど、ひとり当たりでみると26位なんです。しかも年々落ちているんですよ。

その理由をデフレとか、経済政策の失敗だと誤解している人が多いですけど、安い国になっている理由はシンプルで「海外で売れる価値のあるものが作れていないから」。単純に日本の商品に魅力がないことが証明されつつあるんです。それをまだ認めたくない人が多いのかなと。

ホリ そんな"ものづくり大国"って、どうなんだろうね(笑)。

ひろ アメリカみたいに石油とかシェールガスが出る国なら、内需に頼るのもありなんですけど、日本は資源を海外から輸入しないと成立しない国なので、海外で売れるものを作らないといけない。

それなのに軽自動車とか発泡酒とか、日本独自の安くて質がそこそこな商品を一生懸命作っている。でも、日本独自のマーケットのものは海外には売れないので、どう考えても技術力のムダ使いになる。

ホリ その点、ロケットはかなりいいと思うけどね。日本でロケットを打ち上げるサービスって海外からの需要はかなり高い。

ひろ ですよね。ディズニーランドの値段が一番安いというと喜ぶ人もいそうですが「人件費が安い=物価も安い」ってことですから。

ホリ そそ。つまり、みんなで貧乏まっしぐら。そんな状況なのに、金持ちが金を使うとアレルギー反応的に批判する。謎だよ。

ひろ お金を儲けているだけで、嫉妬されてバッシングされますからね。

ホリ それな。

ひろ あと、商品価格を上げるのが悪いという謎の意識も強い。繁盛して行列になっている飲食店とかは、値段を上げて客単価を上げて行列を減らしたほうが待ち時間が減って本当に食べたい人は幸せに食べられる。

それに値上げすれば利益も増えるから、従業員を増やしたり、食材をよりいいものにしたり、店舗を広げたりとか、いろいろできるんですよ。悪いことはないじゃないですか。

★後編⇒ホリエモン×ひろゆき「これから日本人が世界で稼ぐためには、ファンづくりが大事になってくる」

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。新刊に『夢を叶える「打ち出の小槌」』(青志社)

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『凡人道 役満狙いしないほうが人生うまくいく』(宝島社)

構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル