【北京聯合ニュース】中国湖北省武漢市を中心に、新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大している問題で、北朝鮮が国内流入を防ぐため自国民や外国人の中国・北京からの入国を禁じたことが23日、分かった。

 北京の消息筋などによると、北朝鮮の高麗航空は新型肺炎の予防措置として、北京から北朝鮮・平壌へ向かう便への外国人と自国民の搭乗を禁じた。旧正月(今年は1月25日)連休に帰郷しようとしていた北朝鮮住民や、中国の旧正月である春節に北朝鮮を旅行しようとしていた中国人にとっては青天のへきれきだ。

 高麗航空側は「当局が外国人の入国を禁じた。自国民も高麗航空の航空券を買って入国することはできない」と伝えている。

 これに先立ち、中国国内の北朝鮮専門旅行会社は、新型肺炎の感染拡大により22日から中国の旅行客の受け入れを停止すると北朝鮮当局から通達を受けた。ある旅行会社の関係者は「北朝鮮は関連のワクチンが開発されるまで、中国人客の入国を無期限で停止するという内容だった」と伝えた。

 北朝鮮がこうした措置を取る背景には、米国をはじめとする国際社会の制裁が長引き医薬品が不足しており、新型肺炎の感染が広がれば打つ手がないとの判断があるようだ。北朝鮮は高麗航空だけでなく、中国とつながる列車、船舶の出入りを規制し、通関も制限することで、中朝間を結ぶルートを減らすとみられる。