国や地方、時代によってファッションはさまざまに変遷しますが、Tシャツをめくっておなかを出したまま市内を練り歩く「北京ビキニ」のように、同じ時代・同じ国の人々からも批判される服装も存在します。そんな批判のある服装の1つである「パジャマで外出」を行った人々の顔写真・氏名・IDを、中国・宿州市の市役所がオンラインで公表しました。

宿州城管公开曝光不文明行为照片,7人因穿睡衣出行被“晒”_直击现场_澎湃新闻-The Paper

https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_5577159

宿州城管公开曝光7人穿睡衣出行照片_@所有人_澎湃新闻-The Paper

https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_5578819

Public Pajama Wearers Named and Shamed in Eastern China

https://radiichina.com/public-pajamas-china/

Chinese city sorry for shaming people for publicly wearing pajamas - Inkstone

https://www.inkstonenews.com/society/chinese-city-sorry-shaming-people-publicly-wearing-pajamas/article/3047003

中国当局による市民に対する「監視」は年々強化されています。一例では電車内のマナー違反者はブラックリストに登録されたり、信号を無視した歩行者が大型スクリーンでリアルタイムに公開されたりします。

プライバシーどう扱う 信号無視の歩行者「中継」する大型画面、北京に登場 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

https://www.afpbb.com/articles/-/3177461



そんな中国が近年着手しているのが、ファッションマナーの改善です。2019年7月に済南市、天津市、瀋陽市など多くの都市で、上着を着ないか、まくり上げて上半身を露出する「北京ビキニ」や「はだし」が規制されました。

中国各地で「北京ビキニ」に規制、罰金科す都市も 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

https://www.afpbb.com/articles/-/3237443



北京ビキニの違反者は指導警告や氏名の公表が行われ、一部の都市では50元(約800円)から200元(約3200円)の罰金が科されます。

そういった流れの中、宿州市が目を付けたのは、「パジャマを着たまま外出する」という行為でした。宿州市都市管理局は「市民の質を向上させるため」という名目で、自治体が運営する微信(WeChat)アカウント上で、パジャマを着たまま外出を行った7名の情報を画像で公開しました。



公開された画像は、パジャマで外出するという「犯行」を行った際の様子に加えて、一部が伏せられた顔写真・氏名・ID、そして犯行を行った場所が記載されていました。





この一件について、宿州市都市管理局には多くの批判が寄せられたようで、都市管理局は当該画像を削除した上で謝罪を行いました。一方で、「パジャマのまま外出する」ということは、当局の規定では「違反」だとも記しています。

この「パジャマのまま外出する」という文化は、パジャマが高級品だった数十年前の中国で発生しました。当時の中国では、「パジャマを着る」という行為がステータスだったわけです。

この一件を報じたニュースメディアRADIIによると、中国当局が「文明化されていない」として問題視する可能性のある行為は、「外で横たわる」「犬を散歩させる」「道路をふさぐ」「チラシを配る」「大人数でカードをプレイする」など。これらの行為を、「未開なやり方で」行った場合は、罰せられるとのことです。